private goods, common goods, club goods, public goodsの区別 — ソフトウェアを例とした説明

Internet Explorer というウェッブページ閲覧用ソフトは、WindowsOSに標準で装備されているだけでなく、下記WEBページから無料でダウンロードすることができる。すなわちfree riderを排除していないnon-excludableなソフトウェアである。
そしてInternet Explorerはマイクロソフトが許可を与えた人だけしか利用できないわけではなく、多数の人々が同時に利用可能である。その意味でnon-rivalrousである。
それゆえInternet Explorer というウェッブページ閲覧用ソフトは、public goodsと位置付けることができる。
[Internet Explorer というウェッブページ閲覧用ソフトの無償ダウンロードのためのWEBページ]
 
ビックカメラやヨドバシカメラでユーザーが購入するパッケージ版のMS Office(ワードやエクセルなどのソフト)製品は、マイクロソフトとのライセンス契約により、利用できるのは登録ユーザーだけに限定されており、デスクトップPC1台、ノートPC1台までの利用しか認めらていない。それゆえ同時に多数の人々が利用することは法的にできない。その意味でrivalrousである。(OFFICE365は、同一ユーザーが同時にインストール可能な台数の制限が緩和され5台までとなってはいるが、マイクロソフトにユーザー登録したユーザーのみに利用が限定されており、多数のユーザーが同時に利用できるわけではないという意味でrivalrousである。)
 またビックカメラやヨドバシカメラで購入する必要があるため、free riderは法的に許されてはいない、すなわち、excludableである。
それゆえビックカメラやヨドバシカメラでユーザーが購入するパッケージ版のMS Office(ワードやエクセルなどのソフト)製品は、private goodsと位置付けることができる。
[登録ユーザー限定利用、および、インストール可能台数の制限に関する説明WEBページ]
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経営技術論2016.07.21

コア要素技術「液晶技術」を軸とした製品イノベーション戦略に関するクリステンセン的理解
理解のために必要な理論的視点
1.汎用的技術としての「液晶技術」(授業初期における汎用機 vs 専用機の議論を参照のこと —- スマホ vs ゲーム専用機、トヨタ vs 日産)
2.汎用的技術による複数の製品セグメントにおける技術的競争優位性の確保(電卓市場→モノクロ表示型ノートPC市場→カラー表示型ノートPC市場→カラーTV市場→スマホ市場?)とシャープの問題点
3.ProductのFunction, Performance, Quality, Cost —- ただし「故障しない」、「安全性」などのQualityも企業経営や経済学的にはCost問題である。社会的視点からは生命の問題、社会的不安の問題として全く異なる問題ではあるが、原発の安全性に関する東電などの営利企業の場合がそうであったように、企業経営的にはCost問題として現象する。
 

東レの炭素繊維

 
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情報公共論 2016.07.19

OSS-2015-fig1-open
OSS-2015-fig2-change
OSS-2015-fig3-copyright

一括翻訳(翻訳書タイプ) vs 逐次翻訳(同時通訳タイプ)
筋肉を鍛えること — 肉体を構成する内部的構造に関する理解の必要性
日本語版ウィキペディア「人間の筋肉の一覧」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
https://ja.wikipedia.org/wiki/人間の筋肉の一覧
肩を鍛える筋トレメニュー
なぜ文字化けが起こるのか? --- 「文字コード」と「その解釈体系」(対応)
 
ボランティアに支えられたソフトとしてのFreesoftware — 「自由なソフトの開発者は何から生活費を得ればよいのですか?」という問いに対するストールマンの回答
「ほとんどの自由なソフトの開発者はボランティアでやってる。50万人以上の開発者がいるが、ほとんどは別の仕事を持っているだろう。よくは知らないが・・・多分、システム管理者やカスタム・ソフトの開発や、もしかするとコンピュータとは全く関係のない仕事かもしれない。自由なソフトの開発者がたくさんいる限りシステムは動くし、何も問題はない。
 逆に聞きたいが、なぜ、自由なソフトの開発者は自由なソフトから生活費を得ねばならないと心配するのか。おそらく、一般の人はソフト開発者はお金をもらわないとソフトを開発しないと考えているのだと思う。だから、自由なソフトの開発者も自由なソフトの開発からお金をもらわないとソフトを開発してくれないのでは、と思ってしまうのだろう。これは飛行機が飛ぶことを信じないようなものだ。
 もちろん、自由なソフトの開発で生計を立てることができれば、自由なソフトはもっと増えるし、それはいいことだ。だから、多くの人が、自由なソフトのプロジェクトを財政的に支えてくれることが重要だ。」
「フリーソフトは“自由なソフト”と呼ぼう–リチャード・ストールマン氏」2003年4月21日
[出典]http://www.nikkeibp.co.jp/archives/243/243177.html
 
自由なソフトならコンピュータの仕組みが学べる — 「FSFは自由なソフトを広めることが目的ですが、教育的な活動を行う予定はありますか。」という質問に対するストールマンの回答
「FSFが学校での活動に直接参加することはやっていない。時間がないし、他の多くの人々が従事している。ただ、学校で自由なソフトを使うように促すことはやっている。自由なソフトの共有は、子供にお互いが協力することを教える。学校は「ソフトは全部ここにある。コピーしてもっていこう」と言うべきだ。
 子供が成長して、13歳や15歳になって、コンピュータがどうやって動くのかに興味を持った時も、(ソースコードが非公開で専有的な)プロプライエタリ・ソフトでは学べない。全部秘密になっている。自由なソフトなら学ぶことができ、良いプログラマになる。日本にはたくさんのプログラマがいるが、凄腕のプログラマは少ない。これは、プログラミングを学ぶことがただの仕事になっているからだ。本当に良いプログラミングをするには、コンピュータと遊ぶこと、ソフトと遊ぶことだ。コンピュータ・ゲームのことではなく、ソフトを変更することを理解して遊ぶこと。日本語の勉強と同じで、プログラムをたくさん読むことがよい学習となる。学校は、自由なソフトを使って、そういう機会を子供へ提供すべきだ。
「フリーソフトは“自由なソフト”と呼ぼう–リチャード・ストールマン氏」2003年4月21日
[出典]http://www.nikkeibp.co.jp/archives/243/243177.html
 
課題>「コピーレフト」について下記のことに触れしながら、レポートを書きなさい。(6点)
1. コピーレフト(copyleft)という単語は、著作権に対応する英単語との関連で、いくつかの含意を持っている。copyleftという単語に込められているニュアンスは何かがわかるようなレポートを書きなさい。(複数の含意が存在するので注意すること)
 
2. 公共的情報財としては、「Public domain に属するソフトウェア」(Public Domain Software, 略称 PDS)と、「コピーレフト(copyleft)に属するソフトウェア」がある。歴史的には前者が最初に登場し、後者がその後に登場している。
 「コピーレフト(copyleft)」の提唱者たちは、PDSの弱点を補うことが必要だと考えて、「コピーレフト(copyleft)」を対抗概念として持ち出した。
 このことはどういうことなのかがわかるようなレポートを書きなさい。
 
[参考文献]
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情報公共論課題 – 行政の電子化とオープン化

「近年、公共データの活用促進、すなわち「オープンデータ」の推進により、行政の透明性・信頼性の向上、国民参加・官民協働の推進、経済の活性化・行政の効率化が三位一体で進むことが期待されています。」とよく言われる。
 米国オバマ政権の「オープンガバメント」戦略などそうした取り組みの具体例を挙げながら、「公共データのオープン化とは何か?」「「公共データのオープン化にはどのような有用性があるのか?」をわかりやすく説明しなさい。
 
参考資料
  1. NTTデータ経営研究所・上瀬剛(2010)「情報のオープン化から見えてくるもの」
  2. 三菱総合研究所・村上文洋「公共データのオープン化は社会や企業にどのような影響をもたらすか- 動き出した日本のオープンデータ戦略」
  3. 経済産業省「オープンガバメントの推進」経済産業省ホーム > 情報政策ホーム > 情報政策の概要 > 電子政府の実現 >
  4. 総務省「オープンデータ戦略の推進」総務省トップ > 政策 > 情報通信(ICT政策) > ICT利活用の促進 >
  5. USA White House. “Open government Initiative”
  6. 英語版wikipedia “Open government”

「だれでもコピー自由 — フリーソフトウエア米から上陸(ビジネスTODAY)」『日経産業新聞』1989年09月14日
「強い米経済「伝道」が支える――コピー”ライト”より”レフト”に利益(地球回覧)」『日本経済新聞』1997年06月03日朝刊
「フリーソフト「教祖」に聞く――「ソフト特許は開発阻害」、利用者の声で改良自在に」『日経産業新聞』2003年05月19日

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情報の非対称性問題としてのsource codeの公開・非公開問題

OSS(Open Source Software)は、プログラムのソースコード(source code)を公開している。

しかしマイクロソフトなどの営利企業の製品は、proprietary softwareとしてプログラムのソースコード(source code)を公開していない。

問1 なぜマイクロソフトは営利企業としてソースコードの公開をしていないのか?その理由をわかりやすく説明しなさい。

営利企業における不正問題の頻発は、営利企業およびその組織に属する人々のモラルやコンプライアンス意識が低下していることを示している。フォルクスワーゲンによる不正プログラムは、プログラムのソースコードが公開されていないことによって生じた問題である。

問2 キーロガー問題やバックドア問題に対処する方策の一つは、プログラムのソースコードを公開にすることである。それはどういうことなのかをわかりやすく説明しなさい。

参考WEB記事
@IT情報マネジメント編集部(2003)「プロプライエタリ(proprietary)」『情報システム用語事典』
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0310/27/news002.html

国沢光宏(2015)「視点・論点 「フォルクスワーゲン不正問題と自動車の未来」」NHKオンライン>NHK解説委員室、2015年10月27日
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/230652.html

中島みなみ(2015)「VWの不正プログラム組み込み、国内でも確認求める…国交省」Response>自動車>社会>行政>記事、2015年9月25日
http://response.jp/article/2015/09/25/260673.html

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「情報の非対称性」問題

情報公共論 2016.07.12復習用課題(1)
授業では下記資料を配布した。

  1. 朝日新聞社(2007)「偽ミンチ まぜれば分からぬ 安い肉集め利益追求」『朝日新聞』2007年6月20日朝刊
  2. 朝日新聞社(2007)「コロッケに偽ミンチ 北海道の業者が加ト吉に納入 生協が全国販売」『朝日新聞』2007年6月20日朝刊

上記資料で取り扱われている問題は、様々な経営学的視点から論じることができる。

一つは、2015年のフォルクスワーゲンのディーゼル自動車のエンジン制御プログラムの不正問題2016年の三菱自動車工業の燃費データ偽装問題2015年の東芝の不正会計問題などと同じく、企業コンプライアンス(regulatory compliance)視点から論じることができる。

もう一つは、「情報の非対称性」という視点から論じることができる。すなわち、「企業コンプライアンス」が問題となる現実の企業不正問題では、「情報の非対称性」問題が常にセットで問題となる。これはどういうことなのかをわかりやすく説明しなさい。

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OSS(オープンソース・ソフトウェア)/Free software(フリーソフトウェア)

Free software(フリーソフトウェア)
Free software(フリーソフトウェア)

2.Google, Facebook, DeNA, KDDIなどの私的企業がなぜOSSを重視するのか?利用するのか?
Organization of Computer Systems:§ 2: ISA, Machine Language, and Number Systems のFigure 2.1

Stephen Shankland (石橋啓一郎訳、2008)「グーグルのオープンソースは綱渡り–クリス・ディボナ氏インタビュー、2008-06-18 08:00:00
http://builder.japan.zdnet.com/etc/20375521/

OSSであれば、下記の条件を満たす必要がある。

(1) ソースコードの公開
  1. 学習・教育のための社会的基盤としてのソースコード公開 — 優れた先行のソースコードを読むことや模倣することによって、書道教育や絵画教育における「模写」、彫刻教育における「模刻」などと同じような教育的効果を得ることができる
  2. カスタマイズ・改良・バグ取りなどプログラムのproduct innovationのための社会的基盤としてのソースコード公開 — ソースコードの公開は下記に挙げた「ソースコードの修正の自由」を担保するための必要条件である
(2) ソースコードの修正の自由
  1. ソースコードの「カスタマイズ」的修正 — 公開されたソースコードを業務目的に合うように修正すること
  2. ソースコードの「改良」的修正 — キーボード入力だけでなくマウス入力や音声認識入力などにも対応できるという新機能を追加したり、より多様なデータ(固定長データだけでなく不定長データも同時に取り扱えるようにする、文字データだけでなく、音声データ、静止画像データ、動画データなども扱えるようにする)を統合的にうまく取り扱えるようにしたり、最終的な実行速度を高めたりなど、公開されたソースコードの修正によりプログラムソフトに新機能を付け加えたり、性能向上を実現したりすること
  3. ソースコードの「バグ取り」的修正 — ソースコードの公開により多くの眼によるバグ部分の特定が可能となり、ソースコード内のバグ(間違い)を修正すること
(3) ソースコードの配布・再配布の自由
 
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公共経営学特別講義A 2016.07.12

「情報財」(information goods)規定と「公共財」(public goods)規定の共通集合としての公共情報財
private goods, common goods, club goods,public goods
 
「情報財」(information goods)に関わるprivate vs public
 
公共的情報財を提供している私的事業体(private enterprise) vs 公的事業体(public enterprise)
動画提供サービス事業(電波によるテレビ放送サービス事業、ネットによるネット動画提供サービス事業)をめぐるイノベーション
 
イノベーション視点から見た公共的情報財
 
 
問題
 

明治大学図書館では、明治大学の学生および教職員であれば、誰でも無料で利用可能な「電子ジャーナル」サービスを下記WEBページで提供している。
http://www.lib.meiji.ac.jp/search/journal/index.html

同サービスは、学内であれば明治大学の12号館のPCや学内のMIND接続で、自宅など学外からであっても明治大学のVPN接続サービス経由で利用できる。

日経BP社が発行している『日経ビジネス』『日経TRENDY』『日経BPガバメントテクノロジー』などの雑誌記事も、pdfデータおよびテキストデータを無料で利用できる。

問1 明治大学図書館が提供している「電子ジャーナル」サービスは、授業で論じた情報財に関する公共経済学的分類のどのタイプに該当するのかをわかりやすく論じなさい。すなわち、private goods, common goods, club goods,public goodsという4類型の内のどれに該当するのかを理由をつけて説明しなさい。(3点)

問2 「電子ジャーナル」サービスを利用して下記雑誌記事を自分でダウンロードし、その記事で論じられているサムスンの主張を擁護するような議論を展開しなさい。なおその際には、模倣と創造に関する授業で論じたこと(例えば、和歌の技法「本歌取り」など)と関連させながら論じなさい。(10点)
丸尾弘志(2011)「サムスンの逆襲!狙いはアップルの「新規性」くずし」『日経デザイン』2011年10月号、pp.6-7

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2016.07.05情報公共論授業復習用任意提出任意提出課題(1)

下記WEB記事などを参考にしながら、「パテント・コモンズ(patent commons)とは何か?どのようなことを理由・契機としてパテント・コモンズ(patent commons)という考え方が提唱されたのか?パテント・コモンズ(patent commons)はなぜ必要なのか?営利企業にとってパテント・コモンズ(patent commons)はどのような役に立つのか?」を説明する500文字以上のレポートを作成しなさい。

Wearden, G.(2005)「OSDLが立ち上げた「パテント・コモンズ」について」CNET Japan インタビュー, 2005/12/01 15:29
http://japan.cnet.com/interview/20091988/

星野智彦(2005)「米IBMの特許公開の真意は何か――担当副社長を直撃」IT Pro by 日経コンピュータ、2005/03/07
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20050307/157090/

ソニー(2008)「IBMらと共同でエコパテントコモンズを設立 −専用サイトで環境関連特許を無償提供」ソニー>CSRニュース、2008年1月15日付プレスリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/news/20080115.html

創英(2008)「環境に貢献する特許を開放する試み~「エコ・パテントコモンズ」について」創英>知財トピックス(日本情報),2008-09-16

幡鎌博(2011)「特許制度の根本的問題とコモンズ的制度の可能性」知的財産マネジメント研究会、2011年1月
http://www.smips.jp/110115zentai.pdf

藤野仁三(2015)「トヨタの狙いをIBMのパテントコモンズ構想から考察する — 知財専門家が見る「トヨタ燃料電池車 特許開放」(2)」MONOist、2015年02月26日
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1502/26/news006.html

トヨタは2015年1月6日に同社が保有する燃料電池自動車に関連特許約5680件の実施権を無償で利用可能にする、と発表した。トヨタが実施権を無償提供する特許は、燃料電池スタック関連が約1970件、高圧水素タンク関連が約290件、燃料電池システム制御が約3350件である。燃料電池自動車の製造や販売を行う場合、トヨタが燃料電池自動車の普及初期段階と想定している2020年末までは燃料電池システムに関する特許を無償で利用できる。また、水素ステーションに関する約70件の特許については、無償提供の期限は設けないとしている。
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経営技術論2016.06.30

[前回の授業内容]経営技術論2016.06.23
[次回の授業内容]経営技術論2016.07.07
 
[今回の授業内容]
1.ネットワークの有用性(usefulness)/便益(benefit)を規定しているものとしての、ネットワーク構成要素間リンク数(ネットワークの内的システム性に関するバンドワゴン効果)
FAXネットワークや電話ネットワークの有用性・便益を規定しているものとしての、communication link
相互連結していない競合FAXネットワーク間の競争優位性を規定しているものとしての、communication link数の違い —- 構成メンバー数がより多いネットワークの方がより高い競争優位性を持つ
便益の大きさは、構成メンバー数が大きくなると、構成メンバー数の2乗にほぼ比例するようになる
[考察してみよう]こうした「規模の経済」効果的側面とともに、「規模の不経済」的側面がある。そのことを電子メールサービスを例として説明しなさい。
 
2.「イノベーションの普及」問題的現象が生じるメカニズム —- 新機能and/or高性能性を実現した新世代製品システムの相対的競争優位性に起因するstart-up期における一定の普及、および、新世代製品システムと既存の旧世代製品システムとのバンドワゴン効果的効用に関わるシステム間競争における「critical mass突破」問題=「ニワトリと卵」問題
2種類の製品システム性 — 製品内部の諸構成要素(module/part/mateiral)の間のシステム性[製品の内部的システム性] vs 製品セグメントの異なる諸製品の間のシステム性[製品の外部的システム性]
製品の外部的システム性に関わる「補完財」的バンドワゴン効果視点から見た競争優位性 — product designの異質性に起因する「補完財」的バンドワゴン効果の相対的大きさの違い
製品の外部的システム性の具体例
FAX本体-データ伝送回線-法的規制・社会的規制・個別企業的規制(利用契約・ライセンス契約による規制)

自動車-エネルギー補給サービス-道路-法的規制(道路交通法・排ガス規制法ほか)・経済的インセンティブ(エコカー減税ほか)

product designが異なっても、補完財が共通する場合とそうではない場合での「イノベーションの普及」プロセスの違い

 
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情報公共論 2016.07.05

1.営利企業活動における知的財産権をめぐる「commonsの悲劇」問題、「anticommonsの悲劇」問題
a. 「commonsの悲劇」問題⇒知的財産権によるprivate goods化に対する正当化の根拠
ex. Windows系PCのためのWindows OSソフトという情報財は、Microsoftが持つ知的財産権によって囲い込まれており、他者が販売することはできない
 
b. 「anticommonsの悲劇」問題⇒知的財産権によるprivate goods化に対する批判の根拠
ex. フォントの書体作成には多額の費用がかかるが、フォントの書体に対する著作権は認められていない
 
2.「anticommonsの悲劇」問題を考察するための事例としてのGUI OS
a. AppleのMac OS vs MicrosoftのWindows OS
 
b. Apple vs Samsung
 
3. Patent commons vs Patent Troll
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経営技術論2016.06.23

[前回の授業内容]経営技術論2016.06.16
[次回の授業内容]経営技術論2016.06.30
 
[今回の授業内容]
授業で取り上げた事例
2.前回までの授業内容の再確認および拡張
(1) 社会的普及に成功しなかった新製品開発の典型的失敗例
  1. 超音速旅客機「コンコルド」
  2. 「海の新幹線」テクノスーパーライナー
  3. ソニーのDATウォークマン
[テクノスーパーライナー関連参考資料]
  1. 「超高速船「テクノスーパーライナー」進水 三井造船,空気浮上で抵抗を減らす-東京―小笠原間を16~17時間で結ぶ」『日経ものづくり』1991年11月11日号,p.32
  2. 「次世代高速船、テクノスーパーライナー 倍速進航「海の新幹線」」『日経ビジネス』1992年6月1日号,pp.58-62
  3. 「テクノスーパーライナー 時速50ノットの高速船、輸送コスト下げに課題」『日経ビジネス』1994年10月24日号,pp.62-64
  4. 吉岡陽「造船自動化-」『日経ビジネス』2001年12月17日号,pp.67-70
  5. 「製鉄業と造船業-テクノスーパーライナー-」『日経ビジネス』2005年01月号,pp.12-19
  6. 松村竹実(2004)「techno super liner(SF科学物語 ACT:11)」藤子・F・不二雄(2004)『四畳半SL旅行 — 藤子・F・不二雄短編集』小学館、pp.73-76所収
  7. 「次世代高速船に暗雲――小笠原―東京、就航大幅遅れ、燃料高で「赤字拡大」」『日本経済新聞朝刊』2005年8月19日
  8. 「東京―小笠原高速船計画、支援「非常に困難」――都、年20億円赤字で二の足」『日本経済新聞』2005年10月19日 地方経済面 東京
  9. 「小笠原海運の高速船TSL契約、保有会社「解除は無効」――東京地裁に仮処分申請」『日本経済新聞朝刊』2005年10月22日
  10. 「東京―小笠原間、高速船の運航断念――都、国交省との調整不調」『日本経済新聞』2005年11月9日 地方経済面 静岡
  11. 「東京―小笠原の高速船TSL就航不可能に――都など支援断念、建造費の法廷闘争焦点」『日本経済新聞朝刊』2005年11月10日
 
(2) seeds-oriented innovationに取り組む企業が存在する理由に関する考察
理由1
明確なMarket needsすなわちdemandが存在する新製品開発に対しては数多くの企業が熱心に取り組むため、多数のライバルの間での熾烈な競争によるレッドオーシャン的問題が発生することになる。
それとは逆に、Market needsすなわちdemandが存在するのかしないのかが不明確な新製品開発に取り組む場合には、ライバルが存在しないブルーオーシャン的市場環境を享受できる可能性がある。

理由2
特許権・著作権などといった知的財産権によって法的に保護されている技術的seedsを自社が有しているなど、競合他社が模倣困難なseedsを自社で持っている場合には、そうしたseedsを活かす新製品開発の追求が有益である。

3.discovery, invention, innovationの区別
(1) discoveryとinventionの区別
量子力学および半導体現象という科学的「発見」
半導体ダイオード、半導体トランジスタなどを多数集積したLSIという技術的「発明」
 
(2) inventionとinnovationの区別に関わる二つの論点
ポイント1 「発明そのもの」と「発明されたモノの社会的普及、市場的成功」とは区別すべきである
発明に成功しても、発明品が社会的に普及しないことは良くある — 超音速旅客機、テクノスーパーライナー、ソニーのDATウォークマン
 
ポイント2  個別的発明だけでは社会的に有用ではないことが良くある。複数の発明が組み合わさって初めて社会的に有用となる。
エジソンの時代には電球の発明だけでは電球の社会的普及=市場的成功はできなかった。エジソンは電球を「発明」するだけでなく、「火力発電所」を自分で造って電気を製造し、製造した電気を「送電線」によって送電し、電球による電気照明を利用する顧客に届ける必要があった。
 そのため「送電技術」「ソケット」「電気メーター」に関する「発明」もおこなうことで初めて電球を社会的に有意味なモノとすることができた。

[考察すべき問い]
  1. inventionとinnovationの区別の必要性を示す具体的事例として、自分が興味深いと思うモノを探し出しなさい。
  2. 電気照明に関する19世紀のイノベーションはseeds-orientedな側面とneeds-orientedな側面の二つを併せ持っている。seeds-orientedな側面とneeds-orientedな側面の二つを併せ持つイノベーションには他にどのような事例があるのかを説明しなさい。
 
4.FAX製品イノベーションの社会的普及
下記のグラフは下記のことを示している。
  1. G1 FAXよりは高性能なG2 FAXの方が、低性能なG1 FAXよりも普及度が高い。
  2. G2 FAXよりも高性能なG3 FAXの方が、低性能なG2 FAXよりも普及度が高い。
  3. G3 FAXよりも高性能なG4 FAXの方が、低性能なG3 FAXよりも普及度が低い。G4 FAXはG3 FAXよりも高性能であったにも関わらず、社会的普及には失敗した。
  4. G1 FAX,G2 FAX, G4 FAXは社会的普及の「広範化」に失敗し.G3 FAXのみが社会的に広く普及した。
 
グラフ1
FAX-installed_base_1966-1990
 
グラフ2
fig2
 
グラフ3
FAX-fig3a
 
G3 FAXだけが、G1 FAX, G2 FAX,G4 FAXと桁違いの社会的普及をおこなっているので、下記のグラフ4ように対数グラフにする方法もある
 
グラフ4
FAX-fig4
 
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課題>参考資料をもとにした新たな著作物の制作に関わる著作権問題

下記二つのWEBページを読み、以下の問いに答えなさい。
なお解答した問いの数、および、解答の内容に応じて点数をつけます。
 
読むべきWEBページ
 
問1 「著作権法違反に問われないように番組制作をするためには、参考資料の利用に際してどのようなことに気をつけるべきなのか?」に関して、柿沼太一弁護士はどのように主張されているのかをまとめなさい。
 
問2 「参考資料をもとに番組を制作する」ことと、「参考資料をもとに大学での課題レポートを作成する」ことの間には一定の共通性がある。そうした共通性を踏まえて、「著作権法違反に問われないように大学での課題レポートを作成するためには、参考資料の利用に際してどのようなことに気をつけるべきなのか?」を論じなさい。
解答に際しては、「番組制作」から「課題レポート作成」に変えることで問1での自らの解答を再利用してまったく構わない。なおこれも、一種の翻案である。
 
問3 大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』」事件(第1審 :東京地裁平成16年12月24日判決,第2審:知財 高裁平成17年6月14日判決)で原告が敗訴した。「裁判所は、どのようなロジックで原告敗訴の判決を下したのか?」ということに関して、柿沼太一弁護士がどのように述べているのかを要約しなさい。
[注]大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』」事件とは、NHKが2003年に放送した大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の第1回放送番組のストーリーや場面が、故黒沢明監督の映画「七人の侍」のそれと酷似しているとして、黒沢監督の長男らがNHKと脚本家を相手取って著作権侵害を訴えた訴訟のことである。
 
参考WEBページ
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経営技術論2016.06.16

[前回の授業内容]経営技術論2016.06.09
[次回の授業内容]経営技術論2016.06.23
 
[今回の授業内容]
授業で取り上げた事例
1.就職活動において企業が学生に「求めているモノ」 — needs(狭義)と、その認識に関する社会的ズレ
企業の真のneeds(狭義)は何か?
学生は企業の真のneeds(狭義)を理解・認識しているのか?
企業の採用担当者は企業の真のneeds(狭義)を理解・認識しているのか?
企業は企業の真のneeds(狭義)に対する充足をどのような形で実現しようとしているのか?
学生の成績の内実および学生の真の能力に関する、学生と企業の間での情報の非対称性のもとで、どのような選考・採用を行うのが合理的なのか?
 
学生はあまり認識・意識していないが、日本経済団体連合会(2016)「2015 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果の概要」のp.6によれば、「人手不足」=「売り手市場」傾向ということもあり、「選考にあたって学業成績を重視した企業の割合が減少」とはいえ、下記のように、成績を重視しない企業よりも重視する企業の方が相対的に多い。
2015-nk
 
また佐藤恵子(2015)「就活生の素顔「成績」で迫る — 企業、面接対策防止へ活用、「成績表の信頼性、前提」」『朝日新聞』2015年9月4日朝刊では、「合否のカギを握るのは成績表――。大企業を中心に8月から解禁された採用面接で、大学の成績表を使う例が増えている。エントリーシート(ES)に沿った面接では、学生が問答を想定しており、本当の人物像が見えにくい。あまり話題にならない勉強への取り組みをとっかかりに、学生の「素」に迫る作戦だ。」とされている。
同趣旨の記述は、山崎元(2013)「大手企業が続々と方針転換、採用が再び成績重視に?」Diamond Online, 2013年12月11日 「採用、再び成績重視、三菱商事や富士通、客観評価容易に。」『日本経済新聞』2013年12月8日朝刊1面、「就活に成績求める動き 三菱商事、帝人、富士通など約30社」『週刊アエラ』2014年01月20日号などにもある。
さらにまた、日本経済団体連合会(2015)『「採用選考に関する指針」の手引き』の3.選考活動について (3)選考活動における留意点」2015年12月7日、日本経済団体連合会WEBトップ>Policy(提言・報告書)>労働政策、労使関係、人事賃金>における「(選考活動において)大学等の履修履歴(成績証明書等)について一層の活用を検討することが望ましい。」との記述がある。

 

こうした社会的動きにも関わらず、多くの学生は大学での履修履歴や成績をさほど気にしていない。またそうしたことを面接等で特に問わない企業も多い。

参考WEBページ
 

[考察してみよう]
こうした現象を、客観的存在としてのneeds(狭義)、needs(狭義)に関する認識・意識、wants、demandという視点から論じるとどのようになるかを考察してみよう。

 
 
2.前回までの授業内容の再確認および拡張
(1) seeds-oriented vs needs-oriented
 
3.「個人」的視点からの分析 vs 「社会」的視点からの分析
「個人」的 「社会」的
needs(狭義) 「個人」的needs(狭義) Social needs(狭義)
wants 「個人」的wants Social wants
demand 「個人」的demand Market needs(Social demand)

「個人」的needs(狭義)に基づく新製品開発を、needs-orientedと呼ぶことは適切か?
「個人」的demandとMarket needs(Social demand)との関連はどう考えるべきなのか?
「個人」の多様性、すなわち、「個人」的needs(狭義)、「個人」的wants、「個人」的demandのあり方の多様性と、社会全体との関連はどう考えるべきなのか?

 
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情報公共論 2016.06.21

[次回の授業内容]情報公共論2016.06.28
 
1.著作権法における著作権規定
文化庁「著作者の権利」
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」 としての著作物
 ↓
データは著作物ではない
著作権の対象は、アイデアではなく、表現である
originality(独創性、独りで創るということ) — creativityとの差異に関する理解
 
2.コピペ vs 引用および二次利用
originalityを持った著作物における、先行著作物の「引用」および「二次利用」(模倣的創造)

 
 
3.「模倣」から「創造」へ(From Copy to Creation)— 「守」「破」「離」論
 
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エクセル用課題 — FAX製品イノベーションの社会的普及

FAX製品イノベーションの社会的普及
下記のグラフは下記のことを示している。
  1. G1 FAXよりは高性能なG2 FAXの方が、低性能なG1 FAXよりも普及度が高い。
  2. G2 FAXよりも高性能なG3 FAXの方が、低性能なG2 FAXよりも普及度が高い。
  3. G3 FAXよりも高性能なG4 FAXの方が、低性能なG3 FAXよりも普及度が低い。G4 FAXはG3 FAXよりも高性能であったにも関わらず、社会的普及には失敗した。
  4. G1 FAX,G2 FAX, G4 FAXは社会的普及の「広範化」に失敗し.G3 FAXのみが社会的に広く普及した。
 
グラフ1
FAX-installed_base_1966-1990
 
グラフ2
fig2
 
グラフ3 — 「軸の書式設定」ダイアログで、「軸のオプション-最小値-固定(F)」 -10,「軸のオプション-補助目盛間隔-固定(E)」 5、「軸ラベル(A)」=「下端/左端」に、「横軸との交点-軸の値(E)」 0、というようにそれぞれ設定したグラフ
FAX-fig3a
 
G3 FAXだけが、G1 FAX, G2 FAX,G4 FAXと桁違いの社会的普及をおこなっているので、下記のグラフ4ように対数グラフにする方法もある
 
グラフ4 —「軸の書式設定」ダイアログで、「対数目盛を表示する」にチェックを入れ、その項目の右欄の基数(B)を10に設定した後、「軸のオプション-最小値-固定(F)」 0.1,「軸のオプション-最大値-固定(I)」 1000,「軸のオプション-目盛間隔-固定(X)」 10、「軸ラベル(A)」=「下端/左端」に、「横軸との交点-軸の値(E)」 0.1、というようにそれぞれ設定したグラフ
FAX-fig4
 
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情報公共論2016.06.14(授業用)

[前回の授業内容]情報公共論2016.06.07
[次回の授業内容]情報公共論2016.06.21
 
1.「情報公共論」的視点の再確認
視点1 「個人的利益(のみ)を追求すること」「特定個人(のみ)に有益であること」(private,「私」的利益の追求) vs 「社会全体の利益を追求すること」「多くの人々に有益であること」(public,「公共」的利益の追求)
 
視点2 free riderの利用・存在を排除するprivate goods(私的財、商品) vs free riderの利用・存在を積極的に認めるpublic goods(公共財、公共的サービス)
 
視点3 知的財産権(特許権、著作権など)に関する法的保護によるfree riderの利用・存在の排除 vs 知的財産権(特許権、著作権など)に関する法的保護期間の有限性によるfree riderの利用・存在の積極的承認
1) 著作権使用料の国際赤字の増大・恒常化による、日本の国益侵害
2) 著作権処理コストの増大による「死蔵」作品の増加
3) 著作権の法的保護期間の増大による、2次創作活動の停滞

大堀達也-2013_12_10-週刊エコノミストp91-fig
[出典]大堀達也(2013)「著作権延長は日本の衰退招く 「ミッキーマウス法」が対米赤字3000億円を拡大させる」『週刊 エコノミスト』〔特集〕著作権の文化経済学, 2013年12月10日号,p.92

 
2.情報分野におけるイノベーション推進におけるpublic vs private問題
著作権法によるprivateな利益の追求 vs 著作権法によるpublicな利益の追求
著作権法によるイノベーションの社会的阻害 vs 著作権法によるイノベーションの社会的推進
 
3.イノベーション vs 著作権
  1. 古川亨(2007)「元米マイクロソフト副社長・古川亨 著作権70年は長すぎ」『日本経済新聞』2007年07月02日朝刊
  2. 中山信弘(2009)「著作権は開発の壁でいいのか — 損せぬ人にもうけなし」
  3. 堀越(2010)「ネット時代の規制を考える3冊 — 「時代にそぐわない著作権法は変えるべき」サイバー法の第一人者、レッシグ教授の著作」『日経コミュニケーション』2010年7月号,p.70
 
4.TPP対応による著作権の法的保護期間の延長問題 — 著作権法によるイノベーションの社会的阻害?
  1. 公益財団法人 著作権情報センター「著作権の保護期間はどれだけ?」
  2. 横山三加子(2015)「著作権70年 2次創作・利用に懸念 政府、払拭に努め」『毎日新聞』2015年12月9日 東京朝刊
  3. 大堀達也(2013)「著作権延長は日本の衰退招く 「ミッキーマウス法」が対米赤字3000億円を拡大させる」『週刊 エコノミスト』〔特集〕著作権の文化経済学, 2013年12月10日号,pp.90-92[配布資料]
  4. 香月啓佑(2013)「著作権延長は日本の衰退招く ウィキリークスが暴露 延長派と反対派が拮抗」『週刊 エコノミスト』〔特集〕著作権の文化経済学, 2013年12月10日号,p.93[配布資料]
  5. 「著作権の保護期間延長で「青空文庫」に余波 山本周五郎や三島由紀夫、無料で読めるのは当分先に」J-CASTニュース、2015/10/ 6 19:48
  6. 「TPP合意対応、保護期間延長や非親告罪含む著作権制度見直し案まとまる」
 
5.新結合としてのイノベーション
 
6.自由な新結合を妨げる法的障害としての著作権
  1. 野口祐子(2011)「著作権法はイノベーションの邪魔をする?」『日経アソシエ』2011年06月21日号,pp.62-63
 
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情報公共論 2016.06.14(授業後、公開版)

[前回の授業内容]情報公共論2016.06.07
[次回の授業内容]情報公共論2016.06.21
 
1.「情報公共論」的視点の再確認
視点1 「個人的利益(のみ)を追求すること」「特定個人(のみ)に有益であること」(private,「私」的利益の追求) vs 「社会全体の利益を追求すること」「多くの人々に有益であること」(public,「公共」的利益の追求)
抽象的には、「公共」的利益の追求と「私」的利益の追求は対立概念である。現実にも「公共」的利益の追求と「私」的利益の追求の対立はある。
とはいえ、「公共」的利益の追求と「私」的利益の追求が一般的に両立しないわけではない。個人的動機として「私」的利益の追求が主であったとしても、「広く社会全体に貢献する」こともある。「他の科学者に先駆けて自分が科学的発見をすることでノーベル賞を獲得するなど自らの社会的地位を高めたい」「他の誰もまだ発明していない製品を発明してイノベーションを引き起こすことで多額の特許料・特許収入を獲得したい」という「私」的利益の追求(個人的動機)は、新しい科学的発見や技術的発明をもたらし社会を発展させるという「公共」的利益の追求(公共的動機)と共存していることが多い。
それゆえ重要なことは、「公共」的利益の追求と「私」的利益の追求の両立をどのように図るのかということである。
 
視点2 free riderの利用・存在を排除するprivate goods(私的財、商品) vs free riderの利用・存在を積極的に認めるpublic goods(公共財、公共的サービス)
営利企業である民間テレビ局は、スポンサー企業からより多くのCM放送(private goods)収入を獲得するために、すなわち、自らの私的利益追求のために、より多くの視聴者に対してより多くの「無料のテレビ放送番組」(public goods)を見てもらうことで「より高い総視聴率」(=より多くのfree rider)を獲得しようと躍起になっている。
営利企業である民間テレビ局は、放送事業を通じて、「無料のテレビ放送番組」というpublic goodsの提供と、「有料のCM放送」というprivate goodsの提供を同時に行っている。民間テレビ局はそのようにすることで、視点1におけるpublicとprivateの両立を図っている。その意味でNHKとは異なる意味においてではあるが、民間テレビ局も公共的存在である。
 
視点3 知的財産権(特許権、著作権など)に関する法的保護によるfree riderの利用・存在の排除 vs 知的財産権(特許権、著作権など)に関する法的保護期間の有限性によるfree riderの利用・存在の積極的承認
著作権の法的保護期間の延長による「私」的利益の追求 vs 著作権の法的保護期間の短縮による「公共」的利益の追求
TPP対応で日本が保護期間を死後70年に延長した場合には、著作物がpublic domainとなるまでの期間が長くなるため、下記のようなことが問題となる。
1) 著作権使用料の国際赤字の増大・恒常化による、日本の国益侵害
「日本は知財分野のうち特許を除く著作権ビジネスで6000億円超の貿易赤字を抱える。このうち対米赤字は約3000億円に上る。日本は古い作品による国外収入はほとんどない。逆に、古い映画や音楽で稼いでいるのが米国だ。このため、延長となれば、日本は赤字が固定化するだけでなく、「年間100億円程度支払いが増えていく」」大堀達也(2013)p.91
2) 著作権処理コストの増大による「死蔵」作品の増加
著作権保護期間にある著作物に関して、著作権者が死亡した場合には著作権を承継した遺族・相続人を見つけて全員の許諾を得る必要があるが、著作者の死亡から時間が経てば経つほど相続人の数が増加し、関係者全員とのコンタクトが取れないとか、たった一人の関係者の反対で利用ができなくなる可能性が高くなる。関係者全員の許諾を取るための著作権処理コストの増大は、死蔵作品の増加につながり、文化活動の社会的発展の阻害要因となる。
3) 著作権の法的保護期間の増大による、2次創作活動の停滞
「実は、原作が著作権切れとなったことで、ヒットした2次創作は意外に多い(表)。劇作家の平田オリザ氏は、「2次創作により原作そのものにも光が当たり、新たな発見が生まれる」と言う。実際、平田氏は最近、この問題に直面した。同氏は来年にもフランスの哲学者で実存主義の巨人サルトルの著作「出口なし」を基にした演劇を上演する予定で公演の準備を進めていた。サルトルの著作権はいまだ切れていないが、これまで他の劇作家が遺族から許諾を得られなかったという話は聞いていなかったので、権利処理については楽観していた。ところが、遺族からは「上演を認めない」という連絡が来た。
原因は平田氏の革新的な試みにあった。というのも、今度の演劇の役者は、人間ではなくロボットだからだ。平田氏が主宰する劇団「青年団」は大阪大学ロボット演劇プロジェクトに参加し、「アンドロイドによる演劇」という新境地を作ろうとしていたが、その先進性が足かせとなって遺族の許可が下りなかった。遺族が許可しない限り、上演できるのはサルトルの著作権が消滅する2030年。もし、死後70に延長されれば2050年に上演可能になるが、「そのころには僕は死んでいる」(平田氏)。」大堀達也(2013)p.91
大堀達也-2013_12_10-週刊エコノミストp91-fig
[出典]大堀達也(2013)「著作権延長は日本の衰退招く 「ミッキーマウス法」が対米赤字3000億円を拡大させる」『週刊 エコノミスト』〔特集〕著作権の文化経済学, 2013年12月10日号,p.92
 
2. 情報分野でのイノベーション推進におけるpublic vs private問題
  1. 著作権法によるprivateな利益の追求 vs 著作権法によるpublicな利益の追求
  2. 著作権法によるイノベーションの社会的阻害 vs 著作権法によるイノベーションの社会的推進
 
3. イノベーション vs 著作権
  1. 古川亨(2007)「元米マイクロソフト副社長・古川亨 著作権70年は長すぎ」『日本経済新聞』2007年07月02日朝刊
  2. 中山信弘(2009)「著作権は開発の壁でいいのか — 損せぬ人にもうけなし」
  3. 堀越(2010)「ネット時代の規制を考える3冊 — 「時代にそぐわない著作権法は変えるべき」サイバー法の第一人者、レッシグ教授の著作」『日経コミュニケーション』2010年7月号,p.70
 
4. TPP対応による著作権の法的保護期間の延長問題
  1. 公益財団法人 著作権情報センター「著作権の保護期間はどれだけ?」
  2. 横山三加子(2015)「著作権70年 2次創作・利用に懸念 政府、払拭に努め」『毎日新聞』2015年12月9日 東京朝刊
  3. 大堀達也(2013)「著作権延長は日本の衰退招く 「ミッキーマウス法」が対米赤字3000億円を拡大させる」『週刊 エコノミスト』〔特集〕著作権の文化経済学, 2013年12月10日号,pp.90-92[配布資料]
  4. 香月啓佑(2013)「著作権延長は日本の衰退招く ウィキリークスが暴露 延長派と反対派が拮抗」『週刊 エコノミスト』〔特集〕著作権の文化経済学, 2013年12月10日号,p.93[配布資料]
  5. 「著作権の保護期間延長で「青空文庫」に余波 山本周五郎や三島由紀夫、無料で読めるのは当分先に」J-CASTニュース、2015/10/ 6 19:48
  6. 「TPP合意対応、保護期間延長や非親告罪含む著作権制度見直し案まとまる」
 
5. 新結合としてのイノベーション
 
6. 自由な新結合を妨げる法的障害としての著作権
  1. 野口祐子(2011)「著作権法はイノベーションの邪魔をする?」『日経アソシエ』2011年06月21日号,pp.62-63
 
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経営技術論 2016.06.09

[今回のpdfデータおよび配布物]
 
[今回の授業内容]
1.コトラー的図式におけるneeds概念に対する、経営技術論的視点からの検討
(1) 意識されたneeds(狭義) vs 意識されていないneeds(狭義)
コトラーは、needs(狭義)に関して有意識性/有認識性の存在を要件としている。すなわち、「欠乏状態に関する意識・認識」がコトラーにおけるneeds(狭義)である。それゆえコトラー的図式では、needs(狭義)は「新規に創出可能なもの」(広告などマーケティング作業によって創り出すもの)ではなく、「前もって既に存在するもの」(マーケティング作業の前提的対象)である。
しかしこれはstaticな見方である。こうしたコトラー的図式では、イノベーションのダイナミズムをうまく説明することができない。
未だ存在していない市場を新規に創出するようなradical innovationでは、「意識されていないneeds(狭義)」に対応したproduct developmentが必要となるだけでなく、「意識されていないneeds(狭義)」の意識化が必要となる。
 
(2) 特定の個人のみが明瞭に意識・認識しているだけで、社会的には意識・認識されてはいないneeds(狭義の個人的needs)
ソニーのカセット・ウォークマン開発の動機としての、個人的needs
 
「若いエンジニアの遊び心」から生まれたものとしての、初代カセット・ウォークマン — 黒木靖夫(1987)『ウォークマン流企画術』p.41
もともと商品として売り出すすとぃう明確な意識で企画されたものではない、というのが真相です。それは、若いエンジニアの遊び心から生まれたもので、テープレコーダー事業部の商品企画のラインナップにはなかた商品でした。いわば筋書きになかったわけでだからこそウォークマン・ス トーリーは面白いのです。
その若いエンジニアは「ブレスマン」という小型の力セット・レコーダーを改造して、自分専用のカセットプレーヤーにして楽しんでいました。どんな改造を施したかという とまずスピーカーを取り去ってステレオの基板を入れ、再生ヘッドをステレオに変え、イヤホンジャックを大きくして二つ作り、そこにヘッドフォンの標準プラグを左右二つに分けたものを差し込んだのです。二つの標準プラグは、差し違えて左右の位相が逆になるのを防ぐためか、接着剤で固定してあったのを覚えています。
 
(3) 社会的に意識・認識されてはいないだけでなく、それまで誰も明瞭には意識・認識してはいなかったneeds(未発見のneeds)
iPhone3G発売時における、NHKも含めたTVにおける数多くの解説番組による、スマホの有用性に関する意識・認識化
ドローンに関する解説記事(参照:「特集ドローンの時代」『日本語版Newsweek』2015年06月16日

雑誌やWEBにおけるSACD関連の解説記事
 
雑誌やWEBにおけるハイレゾ音源関連の解説記事
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保護中: 「特集ドローンの時代」『日本語版Newsweek』2015年06月16日

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