技術戦略論2016課題-2016-10-06(その2)

クリステンセン的な意味におけるvalueは、企業では経営哲学や経営理念という形で<価値規範>として問題となるが、製品の購入者である顧客では<価値意識>という形で問題となる。
 
2016年10月6日の配布資料のクリステンセン『イノベーションのジレンマ』の図2.2(邦訳p.67)および図2.3(邦訳p.69)はそうした顧客における<価値意識>の問題を示している。>
 
問題 下記の補足説明および補足資料を参考にしながら、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品市場と「レンズ交換」型デジタルカメラ製品市場の差異を、製品を購入する顧客の<価値意識>の差異という視点から説明しなさい。

補足説明および補足資料
大きな意味では同一の製品セグメントに属する製品であっても、<価値意識>が異なる場合には異なる製品サブセグメントとして取り扱って議論する必要がある。
 
「レンズ一体」型デジタルカメラ(コンパクトデジカメ)と「レンズ交換」型デジタルカメラ(一眼レフカメラほか)はともに、「イメージセンサー(CCD型イメージセンサー,CMOS型イメージセンサー)を利用してデジタル形式で静止画像(still picture, still image)を記録・保存する製品」としてのデジタルカメラ製品セグメントという同一の製品セグメントに属する製品であるが、それらの製品を購入する顧客の<価値意識>は異なる。
 
そうした顧客の<価値意識>に応じて、デジタルカメラ製品セグメント市場は、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場と「レンズ交換」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場に分割できる。両市場は、下記のように歴史的に異なる動きをしている。
 
  1. 「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場は2008年にピークを迎えているのに、「レンズ交換」型デジタルカメラ市場がピークを迎えたのは2012年と遅い。
  2. 2013年以降の出荷額は、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場は2011年の出荷額を下回り続けているのに、「レンズ交換」型デジタルカメラ市場は2011年の出荷額を上回り続けている。
  3. 製品の出荷単価は、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場に対して、「レンズ交換」型デジタルカメラ市場の方が3~4倍も高い。
digital_camera_1999-2015
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