The software is licensed, not sold. — なぜソフトウェアは「販売」されないのか?

営利企業であるマイクロソフトは1975年の創業当時から、「所有」と「利用」の分離を事業経営の根幹に置いている。そのことは、下記WEBページに見られるように、自社のソフトに関して”The software is licensed, not sold.”(「本ソフトウェアは許諾されるもので、販売されるものではありません。」)と宣言していることにも示されている。
 
トヨタはユーザーに自動車を販売しているし、ソニーはユーザーにPCを販売している。しかしマイクロソフトはユーザーに自社のソフトを販売しているわけではない。
 
[考察してみよう]
なぜマイクロフトは”The software is licensed, not sold.”としているのかを営利企業としての戦略という視点からわかりやすく説明しなさい。

 

すなわちマイクロフトは、ソフトウェアを販売しないことでどのような経営上のメリットを享受しているのかを説明しなさい。

 
[関連資料]
1.使用許諾契約書
(1) Apple iOSソフトウェア使用許諾契約(Apple iOS Software License Agreement)
「ソフトウェア(ブートROMコードおよびその他の組込ソフトウェアを含む)、文書、インタフェース、コンテンツ、フォント、および一切のデータは、本契約条件に従う場合に限りにおいてお客様に使用を許諾したものであり、お客様に販売したものではありません。また、Appleおよびそのライセンサーは、iOSソフトウェア自体の所有権を保持し、お客様に非明示的に付与した権利のすべてを留保します。」(引用に際して、訳を一部改変している)pdf p.32/325
“The software (including Boot ROM code and other embedded software), documentation, interfaces, content, fonts and any data that came with your iOS Device (“Original iOS Software”),・・・ are licensed, not sold, to you by Apple Inc. (“Apple”) for use only under the terms of this License. Apple and its licensors retain ownership of the iOS Software itself and reserve all rights not expressly granted to you.” PDF p.1/325

 
(2)マイクロソフト ソフトウェア使用許諾契約書
How can I use the software?
The software is licensed, not sold. Under this agreement, we grant you the right to install and run one copy on the computer on which you acquired the software (the licensed computer), for use by one person at a time, but only if you comply with all the terms of this agreement. The software is not licensed to be used as server software or for commercial hosting, so you may not make the software available for simultaneous use by multiple users over a network. For more information on multiple user scenarios and virtualization, see the Additional Terms.
 
b. マイクロソフト Officeソフトウェア使用許諾契約書
マイクロソフトは、本ソフトウェアまたはその複製をお客様に販売するものではなく、その使用許諾を与えるものです。
 
Q.本ソフトウェアで許可されない行為などはありますか。
A. はい。本ソフトウェアはライセンス許諾されるものであり、販売されるものではないため、本ライセンス条項に明示的に許諾されていない権利 (知的財産に関する法律に基づく権利など) はすべてマイクロソフトが留保します。特にこのライセンスは、次の行為に関してお客様にいかなる権利も与えるものではなく、お客様は次の行為を行うことはできません。本ソフトウェアの機能を別々に使用または仮想化すること。本ソフトウェアを公開、複製 (許諾されたバックアップ用の複製を除く)、レンタル、リース、または貸与すること。本ソフトウェアを譲渡すること (本ライセンス条項で許諾されている場合を除く)。本ソフトウェアの技術上の保護手段の回避を試みること。本ソフトウェアに対してリバース エンジニアリング、逆コンパイル、または逆アセンブルすること。ただし、関連する法令において、禁止の合意にもかかわらずこれらの行為が許可されている場合のみ、この制限に関係なく、このような行為も法の範囲で許可されます。お客様は、インターネット ベースの機能を使用している場合、第三者によるそれらの機能の使用を妨げる可能性のある方法で、またはサービス、データ、アカウント、もしくはネットワークに不正な方法でアクセスを試みるために、これらの機能を使用することはできません。
 
「本ソフトウェアは許諾されるもので、販売されるものではありません。」
 
3. SCOPE OF LICENSE.
The software is licensed, not sold. This agreement only gives you some rights to use the software. Microsoft reserves all other rights. Unless applicable law gives you more rights despite this limitation, you may use the software only as expressly permitted in this agreement. In doing so, you must comply with any technical limitations in the software that only allow you to use it in certain ways.
 
You may not
• work around any technical limitations in the software;
• reverse engineer, decompile or disassemble the software, except and only to the extent that applicable law expressly permits, despite this limitation;
• make more copies of the software than specified in this agreement or allowed by applicable law, despite this limitation;
• publish the software for others to copy;
• rent, lease or lend the software;
• transfer the software or this agreement to any third party; or
• use the software for commercial software hosting services.
 
2.プロプライエタリ・ソフトウェアの「販売」形態 — 製品販売ではなく、ライセンス販売という形態を取ることの意味
「製品販売」ではなく、「利用許諾」
本ソフトウェア製品は、著作権法及び著作権に関する条約をはじめ、その他の無体財産権に関する法律および条約によって保護されています。本ソフトウェア製品は許諾されるもので、販売されるものではありません。
 
リバースエンジニアリング、逆コンパイル、逆アセンブルの制限
お客様は、本ソフトウェア製品をリバースエンジニアリング、逆コンパイル、または逆アセンブルすることはできません。ただし、適用される法律により明示に許可されている場合はこの限りではありません。
 
The application is licensed, not sold. This agreement only gives you some rights to use the application.”
“you must comply with any technical limitations in the application that only allow you to use it in certain ways. You may not: ・・・ b. Reverse engineer, decompile or disassemble the application, except and only to the extent that it is expressly permitted by applicable copyright law provisions for computer programmes.”

 
カテゴリー: 情報公共論, 授業メモ, 著作権 パーマリンク