経営技術論 2016.06.09

[今回のpdfデータおよび配布物]
 
[今回の授業内容]
1.コトラー的図式におけるneeds概念に対する、経営技術論的視点からの検討
(1) 意識されたneeds(狭義) vs 意識されていないneeds(狭義)
コトラーは、needs(狭義)に関して有意識性/有認識性の存在を要件としている。すなわち、「欠乏状態に関する意識・認識」がコトラーにおけるneeds(狭義)である。それゆえコトラー的図式では、needs(狭義)は「新規に創出可能なもの」(広告などマーケティング作業によって創り出すもの)ではなく、「前もって既に存在するもの」(マーケティング作業の前提的対象)である。
しかしこれはstaticな見方である。こうしたコトラー的図式では、イノベーションのダイナミズムをうまく説明することができない。
未だ存在していない市場を新規に創出するようなradical innovationでは、「意識されていないneeds(狭義)」に対応したproduct developmentが必要となるだけでなく、「意識されていないneeds(狭義)」の意識化が必要となる。
 
(2) 特定の個人のみが明瞭に意識・認識しているだけで、社会的には意識・認識されてはいないneeds(狭義の個人的needs)
ソニーのカセット・ウォークマン開発の動機としての、個人的needs
 
「若いエンジニアの遊び心」から生まれたものとしての、初代カセット・ウォークマン — 黒木靖夫(1987)『ウォークマン流企画術』p.41
もともと商品として売り出すすとぃう明確な意識で企画されたものではない、というのが真相です。それは、若いエンジニアの遊び心から生まれたもので、テープレコーダー事業部の商品企画のラインナップにはなかた商品でした。いわば筋書きになかったわけでだからこそウォークマン・ス トーリーは面白いのです。
その若いエンジニアは「ブレスマン」という小型の力セット・レコーダーを改造して、自分専用のカセットプレーヤーにして楽しんでいました。どんな改造を施したかという とまずスピーカーを取り去ってステレオの基板を入れ、再生ヘッドをステレオに変え、イヤホンジャックを大きくして二つ作り、そこにヘッドフォンの標準プラグを左右二つに分けたものを差し込んだのです。二つの標準プラグは、差し違えて左右の位相が逆になるのを防ぐためか、接着剤で固定してあったのを覚えています。
 
(3) 社会的に意識・認識されてはいないだけでなく、それまで誰も明瞭には意識・認識してはいなかったneeds(未発見のneeds)
iPhone3G発売時における、NHKも含めたTVにおける数多くの解説番組による、スマホの有用性に関する意識・認識化
ドローンに関する解説記事(参照:「特集ドローンの時代」『日本語版Newsweek』2015年06月16日

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