技術戦略論2015.11.5

[前回の授業内容]技術戦略論2015.10.29
[次回の授業内容]技術戦略論2015.11.12
[今回の配付資料]
 
[今回の参考資料]
[今回のポイント]
1.製品イノベーションによる持続的競争優位追及の3類型
製品イノベーションの技術的意義は、単純化して言えば、1)「新機能」追加、2)「高機能」化、3)「低コスト」化の3つである。それゆえ製品イノベーションにおいて、新世代製品が旧世代製品に対して競争優位性を持つ仕方は、単純化して言えば下記のような3類型に分類することができる。ポーターの競争戦略論的に言えば、下記の(1),(2)はdifferentiation、(3)はcost leadershipと位置づけることができる。
 
(1) 当該製品セグメントで利用されていない、あるいは、どの製品セグメントでも利用されていない「新機能」を搭載する
ex.1 「ファミコン」→→「漢字」利用機能の搭載→→「スーファミ」
 
ex.2 「ゲームボーイ」→→「カラー表示」機能および「赤外線通信」機能の搭載→→「ゲームボーイカラー」
 
図1 「カラー表示」という新機能の搭載による製品のusefulnessの増大– ゲーム画面の比較
ゲームボーイの
モノクロ画面
  ゲームボーイカラーの
カラー画面
kyo_gb カラー化 kyo_col
no_gb カラー化 no_col
mono-3col-GBR 色による服の区別
緑の通常服
青の防御服
赤の攻撃服
color-3col-GBR
 
ex.3 「ゲームボーイアドバンス」→→「音声認識」機能、「手書き文字認識」機能、「ワイヤレス通信」機能、「3D描画処理」機能の搭載 →→「ニンテンドーDS」
 
各機能を利用したミニゲームの紹介
 
[関連事項]ニンテンドーDSにおける新機能の搭載による、「脳活性化ソフト」という新しいゲームソフト製品サブ・セグメントの成立
[参考WEB]
1) 「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」公式WEBサイト
2) 「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」公式WEBサイト
 
ex.4 「ゲームボーイでの通信ケーブルによる有線通信機能」→「ゲームボーイカラーでの赤外線による無線通信(ワイヤレス通信)機能」→「DSでのWifiによる無線通信機能」
通信対戦、データのやり取り、すれ違い通信
 
(2) 当該製品セグメントにおける同価格帯の旧世代製品よりも「高性能化」する
ex.1 「ファミコン」→→ 8bit CPUから16bit CPUへの性能向上 →→「スーファミ」
ex.2 「ゲームボーイ」→→ 8bit CPUが倍速動作可能、メイン・メモリ(RAM)容量が4倍化、VRAM容量が2倍化 →→「ゲームボーイカラー」
ex.3 「ゲームボーイカラー」→→→ 8bit CPUから32bit CPUへの性能向上,画面サイズが1.5倍化、VRAM容量が6倍化, 同時表示発色可能数が56色から32,768色へ585倍化,画素数が1.7倍化 →→→「ゲームボーイアドバンス」
ex.4 「ゲームボーイアドバンス」→→→ 画面サイズはほぼ同じだが2画面化、メインメモリが約15倍化、同時表示発色可能数が8倍化 →→→「ニンテンドーDS」
 
(3) 当該製品セグメントにおける同性能の旧世代製品よりも「低価格化」する
 
2.携帯型ゲーム機の製品イノベーションにおける任天堂DSの技術戦略 vs ソニーPSPの技術戦略
(1)「旧世代製品にない新機能」による競争優位の追及 vs 「旧世代製品に対する高性能化」による競争優位の追及
 
旧世代製品 「ゲームボーイアドバンス」
(2001年3月21日発売開始)
新世代製品の
開発意図
旧世代製品にない新機能 旧世代製品に対する高性能化
開発された
新世代製品
「ニンテンドーDS」
(2004年11月21日発売開始)
「PSP-1000」
(2004年12月12日発売開始)
結果としての
ポジショニング
同世代製品にない新機能
によるdifferentiation
同世代製品に対する高性能化
によるdifferentiation
 
[参考図]
図2 ゲームボーイアドバンス
Game-Boy-Advance-1stGen
 
図3 ニンテンドーDS
Nintendo_DS_Trans
 
図4 ソニー PSP-1000
Sony-PSP-1000-Body
 
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