技術戦略論2015.10.29

[前回の授業内容]技術戦略論2015.10.22
[次回の授業内容]技術戦略論2015.11.5
 
[今回の配付資料]
[今回の参考資料]
 
[今回のポイント] [pdf版]
1.ファミコン vs SG-1000(再論)

ファミコン SG-1000
ゲームソフト 既存 既存
メディア 既存 既存
CPU 既存 既存
GPU 新規開発 既存
コントローラー 新規開発 既存
(1) 製品イノベーションに関するneeds視点およびseeds視点からの理解
a. needs視点からの理解 —- 関連する既存製品市場が示すusefulness、wants、潜在的需要(Potential demand)というneedsの存在
  1. アーケードゲーム機に対するneeds — 専用LSIを利用した非家庭用ゲーム専用機[ゲームセンターや喫茶店などに設置されたマシン]、特定のゲームのみに対応する専用機
  2. 家庭用TVゲーム機に対するneeds — 専用LSIを利用した家庭用TVゲーム専用機、特定のゲーム専用のマシン(第一世代)、および、ROMカートリッジの差し替えによる複数ゲームを遊べるマシン(第二世代)
  3. ミニコンピュータ上でプレイするゲームやPC用ゲームソフトに対するneeds —- ミニコン用ゲームソフト、および、PC用ゲームソフト(Microsoft社のBASIC言語プログラムソフトの対象顧客の重要な構成要素の一つ)に対するneeds
 
b. seeds視点からの理解 —- 既存seedsの活用 vs 新規技術開発・新規module開発
  1. アーケード機用ゲームという既存ゲームソフトの転用(移植)— 任天堂の『ドンキーコング』、『ドンキーコングJR.』、『ポパイ』、セガの『トランキライザーガン』(Tranquilizer Gun)[SG-1000ではサファリハンティングという名称のゲームソフトとして移植されたもの]、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテイメント)の『ギャラガ』
  2. ROMカートリッジ(ROMカセット)という既存メディアに収納されたゲームソフト — ROMカートリッジの差し変えにより様々なゲームソフトが利用できる第2世代ゲーム機は1976頃には既に存在した。(ex.フェアチャイルドセミコンダクターのチャンネルF(1976)のVideocartsというROMカートリッジ
  3. 「十字ボタン、A / Bボタン、START、SELECTボタン」からなるコントローラという新規開発moduleで「差異」化を追求したファミコン VS ジョイスティックという既存module利用で「同質」化を追求したSG-1000
 
C. 参考図
図1 任天堂のアーケード機用ゲーム『ドンキーコングJR.』

Video_Games_Volume_1_Number_06_1983-03_p46

[出典]Video Games,1(6), 1983-03, p.46
 
図2 フェアチャイルドセミコンダクターのチャンネルF(1976)のVideocartsというROMカートリッジ
 Video_Games_Volume_1_Number_06_1983-03_p73-ROM
[出典]Dionne, R.(1983) “Channel F: The System Nobody Knows,” Video Games,1(6), 1983-03, p.73
 
図3 任天堂のファミコンとそのコントローラー
Famicom-Console-Set 
[出典]https://en.wikipedia.org/wiki/Nintendo_Entertainment_System#/media/File:Famicom-Console-Set.png
 
図4 ファミコンの日本国内出荷台数の推移 1983-1988[単位:万台]
 
famicom-1983_1988

出荷台数 累積出荷台数
1983 44 44
1984 167 211
1985 368 579
1986 390 969
1987 178 1,147
1988 159 1,306
 
[引用元]『情報化白書1989』p.105
[原出典]任天堂発表資料
 
図5 ファミコンの日本国内出荷台数の推移
上村雅之-1990-ファミコンメディア_その技術背景について-計測と制御』-29_6-p551-data
 
図6 既存moduleとしてのジョイ・スティック装置 — アーケードゲーム機およびPC用ゲームソフトにおける利用
Video_Games_Volume_1_Number_06_1983-03_Pumpkin_Press_p35
[出典]Blanchet,M.(1983) “Beating the Top 15 Coin-ops,” Video Games,1(6), 1983-03, p.35
 
図7 既存moduleとしてのジョイ・スティック装置 — セガのSG-1000に付属のジョイ・スティック(SJ-200)
Sega-SG-1000-joy

 
技術戦略論的視点から見た技術イノベーションと、「製品」レベルにおける機能的意味・性能的意味
  1. 8ビットゲーム機から16ビットゲーム機への製品イノベーションの技術的意味と製品的意味 —- 28=256から216=65,536への技術的「性能」向上が可能とした、製品イノベーションとしての「漢字処理」機能の新規実現(ex.ファミコン版ドラクエ vs スーファミ版ドラクエ)
  2. 16ビットゲーム機から32ビットゲーム機への製品イノベーションの技術的意味と製品的意味 —- 216=65,536=64Kから232=4Gへの技術的「性能」向上が可能とした、製品イノベーションとしてのCD利用、3Dデータ処理(ポリゴン処理)、画面のフルカラー表示対応
  3. 32ビットゲーム機から64ビットゲーム機への製品イノベーションの技術的意味と製品的意味 —- 232=4Gから264=4Gの40億倍への飛躍的な技術的「性能」向上が可能とした、製品イノベーションとしてのDVD対応、ブルーレイディスク対応
 

図8 ひらがなとカタカナだけのファミコン版ドラクエのコマンド画面 図9 漢字使用のスーファミ版ドラクエのコマンド画面
ドラゴンクエストIII -ファミコン2 ドラクエIII-sfc
図10 ひらがなとカタカナだけのファミコン版ドラクエのエンディング画面 図11 漢字使用のスーファミ版ドラクエののエンディング画面
ドラゴンクエストIII -ファミコン-01-24 ドラクエIII-sfc2
ドラクエIII-sfc-04-10
[出典]
 
 
[関連参考資料]
 
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