技術戦略論2015.10.22

 
[今回の配付資料]
 
[今回のポイント] [pdf版]
1.Technology, Market, Productの関係(再論)
Technology + Market
  ↓
Product Concept(製品コンセプト)
  ↓
Product Design(製品デザイン・製品設計)
 
(1) Technologyの経営学的分類 —- 既利用の既存技術,未利用の既存技術,新規利用の新規開発技術
Tecnnologyに関しては、「既存」技術(「開発済み」技術)と「新規開発」技術という区分、および、既存技術に関する「既利用」既存技術と「未利用」既存技術という区分から理解することが必要である。
後者の区分はシュンペータの新結合論的イノベーション論の基本的問題意識である。すなわち、「当該分野で既に利用されている既存技術」(既利用既存技術)に関するこれまでにない新しい組み合わせ[ハイブリッド自動車]や、「当該分野でこれまでにまだ利用されていないが、既に開発済で他製品セグメントで既に利用されている既存技術」(未利用既存技術)の新規利用による新しい組み合わせ[家庭用ゲーム専用機セグメントにおけるCPUの利用]もまたイノベーション論的には重要である。
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(2) Marketの経営学的分類 —- 既存製品Marketの中の既存製品セグメント、既存製品Marketの中の新規製品セグメントの創出、新規製品Marketの創出
Marketに関しては下記の三つを区分することが技術戦略論的には必要である。

1)「既存製品Marketの中の既存製品セグメントに属する新製品開発を行う」
2)「既存製品Marketに属するものではあるが新規製品セグメントの創出を目的とした新製品開発を行う」
3)「それまでに存在していない新規製品Marketの創出を目的とした新製品開発を行う」
 
上記の区分は、「ターゲットとする新規顧客あるいは既存顧客に対してどのようなusefulnessを提供するのか?」「どのように新規wantsや新規demandを形成しようとするのか?」「どのような既存wantsや既存demandに対応しようとするのか?」といった判断・決定との関連で理解する必要がある。
 
既存製品Marketと、いまだ存在していない未知の製品Marketでは、技術開発や製品開発のあり方が異なる。Market Creation、すなわち、新市場創造を主たる目的として技術開発や製品開発をおこなってきた(あるいは、おこなっている)企業としては、20世紀におけるソニーや、20世紀末から21世紀にかけてのアップルが代表的である、とされている。
 
usefulness、wants、demandをきわめて抽象的レベルで捉えると、新しいusefulnessや新しいwantsというものは存在しない。
例えば、「遊びに役立つ」というusefulness、「遊びたい」というwants、「遊び」関連製品に対するdemandなどといった抽象的なレベルで考えてしまえば、どのような「画期的新製品」であっても、既存のusefulness、既存のwants、既存のdemandに導かれて開発された製品ということになってしまう。
 ファミコンによって社会的に明確となった家庭用TVゲーム専用機という新製品市場も、「遊びに役立つ」という既存usefulness、「遊びたい」というwants、「遊び」関連製品に対するdemandに導かれて開発された製品に過ぎないことになってしまう。
 「イノベーションはneeds-orientedである」、あるいは、「イノベーションはneeds-orientedであるべきである」というイノベーションに関するneeds-oriented説の「正当性」をこうした抽象的レベルで考えることは無意味である。
 というのも、どの社会にも存在する古代から不変のusefulness、wants、demandという要素だけでは、「なぜある特定の社会で、ある特定の歴史的時点で、それまでにない新しい製品が新規開発されたのか?」という新規性の説明ができないからである。普遍的要素、不変の要素によって、特定の場所・特定の時期における新規性の出現を説明・予測することはできない。
 
(3) Product designに関する技術戦略論的分類
a. 新技術の開発 and/or 既存技術の利用
 
b. Integral vs Modular/closed vs open
Modular製品としてのレゴブロック
 
2.家庭用ゲーム専用機製品に関する技術戦略論的分析
(1) 直接的に関連する市場的視点 — 関連する先行の製品市場が示す、家庭用ゲーム専用に対する潜在需要(potential demand)の存在という既存needs
[関連参考資料]
 
a.ゲームセンターや喫茶店などでの「アーケードゲーム」機
ex.1インベーダーゲーム
タイトーが1978年に発売開始したアーケードゲーム『スペースインベーダー』(Space Invaders)が推定約20-30万台とヒットし、数多くの類似商品や模倣品が出た。それらを総称してインベーダーゲームと呼ぶ。ヒット状況に関しては、日本語版ウィキペディアの「スペースインベーダー」の中の「販売前後」の記述「流行と影響」の記述が参考になる。

タイトーの『スペースインベーダー』のプレイ画面
 
b. 日本初の家庭用TVゲーム機[TVを表示装置として利用するゲーム機]であるエポック社『テレビテニス』(定価 19,500円)が1975年9月に販売開始(約2万台)
 
c. 米国におけるミニコンピュータ上でプレイするゲームやPC用ゲームソフト —- Microsoft社のBASIC言語プログラムソフトの対象顧客の重要な構成要素の一つ

(2) 直接的に関連する技術的視点 — 関連する先行の製品で用いられている既存Technologyおよび既存moduleという既存seeds
PC製品を実用化可能とした技術としてのLSI製造技術
LSI製造技術によって製造されたモジュールとしての「汎用的演算処理装置」CPU(マイクロプロセッサ)、および、「画像演算処理専用装置」 GPU(画像処理チップ)

 
(3) 基本設計のための製品分析
プレイヤー

[入力(プレイ)]

入力装置
汎用的演算処理装置 CPU
画像演算処理専用装置 GPU

[画像出力]

画像表示装置
 
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