情報公共論2015.07.07

[前回の授業内容]情報公共論2015.06.30
[関連資料]
(1) アニメ映画・ディズニー(2001)「アトランティス」とTVアニメ・ガイナックス(1990)「ナディア」の類似性の高さに関連する記事
(2)TVアニメ・ガイナックス(1990)「ふしぎの海のナディア」に関連する日本語記事
[次回の授業内容]情報公共論2015.07.14
 
[今回の論点]
1.2種類のcreation — 「creatorによるcreation行為としての創作」と「creatorのcreation行為としての教育・学習」
 
2.2種類のcreation行為それぞれにおけるcopyの社会的な必要性・有用性
自由に「複写」・「模倣」できる公共的情報財の社会的な必要性=有用性
(1)教育・学習プロセスにおける「複写」・「模倣」という形態におけるcopyの意味
  1. 授業用資料に関するcopyの自由 — 著作権の法的保護期間内であっても、著作権者の了解なしに無償でcopyできること
  2. 授業における模写、模刻の自由 — 「書道」「絵画」「彫刻」などにおける学習としてのcopy行為の自由
 
(2)研究・創造プロセスにおける「引用」・「翻案」という形態におけるcopyの意味
著作物における「一次著作物」性vs 「二次著作物」性 — 「From copy to creation」的行為としての創作
  1. 研究用資料に関する、図書館でのcopyの自由
  2. 新たな創造におけるcopy的利用の自由 — 「引用」・「翻案」
    先行著作物をseedsとして利用した創作行為
    ex.本歌取り、写真をトレースした漫画のカット、写真をもとにしたイラスト
4.オープンデータ
著作権法の保護対象となるためには、「思想又は感情」が表現された著作物でなければならない。
自動車部品メーカー及びカーエレクトロニクス部品メーカー等の会社名、納入先の自動車メーカー別の自動車部品の調達量及び納入量、シェア割合等の調達状況や相互関係のデータをまとめたものであって、そこに記載された各データは、客観的な事実ないし事象そのものであり、思想又は感情が表現されたものではないことは明らかである。
 原告は、本件データは原告が独自に取材、調査し、それを総合的に判断し研究した結果であり、そこには原告の思想が創作的に表現されていると主張する。しかし、原告が主張していることは、原告の一定の理念あるいは思想のもとに本件データの集積行為が行われたということにすぎないのであって、集積された客観的データ自体が思想性を帯びることはないから、原告の右主張は失当というべきである。
 よって、本件データは著作物性を有しない。ものでなければならない。
 しかしながら、本件データは、自動車部品メーカー及びカーエレクトロニクス部品メーカー等の会社名、納入先の自動車メーカー別の自動車部品の調達量及び納入量、シェア割合等の調達状況や相互関係のデータをまとめたものであって、そこに記載された各データは、客観的な事実ないし事象そのものであり、思想又は感情が表現されたものではないことは明らかである。
 原告は、本件データは原告が独自に取材、調査し、それを総合的に判断し研究した結果であり、そこには原告の思想が創作的に表現されていると主張する。しかし、原告が主張していることは、原告の一定の理念あるいは思想のもとに本件データの集積行為が行われたということにすぎないのであって、集積された客観的データ自体が思想性を帯びることはないから、原告の右主張は失当というべきである。
 よって、本件データは著作物性を有しない。
 
(2)文化庁著作権課(2013)「著作権法の基本的な枠組みについて(オープンデータ関連) 」2013年1月24日の1.「政府が保有するデータ」
著作物は、「思想又は感情」を表現したものであるから、単なる事実やデータは、それ自体としては、著作物としての保護対象にはならず、例え当該データ等を得るために高度の知識や多大な労力、資金を必要としたとしても、著作物としての保護対象にはならない。
 
 
「オープンデータ(Open Data)とは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるというアイデアである。オープンデータ運動のゴールは、オープンソース、オープンコンテント、オープンアクセスなどの、他の「オープン」運動と似ている。オープンデータを支える哲学は古くから確立されているが(マートン・テーゼのように)、「オープンデータ」という言葉自体は、インターネットやワールドワイドウェブの興隆、特に、Data.govのようなオープンデータガバメントイニシアティブによって、近年一般的になってきた。」

[考えてみよう]単なる事実やデータは、それ自体としては、著作物としての保護対象にはならない。それにも関わらず、オープンデータ運動がなぜ運動として必要なのかを考察してみよう。

5.知的創作行為におけるoriginality問題
(1) 創作性
デットコピー(単なるコピペ)にはまったくoriginalityがない、すなわち、創作性がまったくないので、二次的著作物として法的保護の対象とはならない。
創作性がない著作物は法的保護の対象にはならない。
客観的な事実やデータに関する記述(個別表現それ自体に創作性がない著作物)
アイウエオ順やアルファベット順に氏名・住所・電話番号を記載した電話帳(編集という行為の中にも創作性がない著作物)

著作権法の第十条の2「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。」

 

(2) Originality, Novelty, Creativity(独創性、新奇性、創造性)
Originality — 「著作のoriginが他者ではなく自らにあること」「独りで創り出すこと」としての独創性
 
著作と発明の差異 — 「originalityはあるけれども、noveltyがないものが存在する」著作物、「originalityも、noveltyも必要とする」発明
 
ただし、同一の事実やデータなど同一の素材をseedsとして創造行為がなされた場合には、同一の成果が生み出されることになる
科学における「同時」発見、技術における「同時」発明
 

 

6.「新たな創造という善き目的によって許されるコピペ」と「新たな創造という善き目的であっても許されないコピペ」に関するスペクトル分布的あり方 — グレーゾーンの存在とその範囲に関する社会的合意の歴史的変遷

7.新しい著作物の創作行為における一次創作性と二次創作性
a.最低限度以上の一次創作性の必要性—「単なる剽窃」は不可、新たなoriginalityの必要性
 
b.先行著作物に対する正当なseeds的利用 —- 著作権者の許諾 or 無断利用可能性
漫画における一次創作性と二次創作性
トレースした場合における「許されない模倣」 vs 「許される模倣」— 「利用許諾の必要性の有無」および「二次創作性の有無」
 

 

8.著作者人格権の問題
[関連資料]
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