経営技術論2015.05.07

[前回の授業概要]経営技術論2015.04.30
[次回の授業概要]経営技術論2015.05.14
 
[今回の授業概要]
1.コトラーにおけるneeds, wants, demand
コトラーは、マーケティングの中核的概念(core concept)として、needs, wants, demandという三要素の区別を論じている。そのことを踏まえながら、本授業では少し修正を加えながら議論した。
 
1. needs 「・・・を必要とする」
2. wants 「・・・を欲しい」
3. demand 「・・・を購入する」
 
食事の場合を例にとると、下記のようになる。
 
(1) needsとしての食事(usefulなものとしての食事)
[カロリー摂取、栄養摂取、水分摂取などの必要性に対応したものとしての食事、すなわち、人間の生命維持に役立つものとしての食事]
人間は生命維持のためにカロリー、栄養、水分などを摂取する必要がある。すなわち、食事によりカロリー、栄養、水分などを摂取することは、人間が生命を維持するのに役立つ。偏食や拒食症などのように必要量に足りなければ体を壊すし、何日も食事をとらなければ死亡してしまう。
 
(2) wantsとしての食事
[健康な人間であれば一定の時間経過とともに空腹感により、食事をしたいと欲するようになる。]
人は「お腹がすいた」と感じ、「何かを食べたい」と欲するようになる。
 
(3) demandとしての食事
[人は財布の中に入っているお金(自分の収入の内で食事にまわせるお金)という制約の中で、「食べたい」モノを買う。]
焼肉、和牛ステーキ、焼き魚、日本料理、中華料理、フランス料理、ロシア料理、タイ料理、カレーライス、分子調理法による料理など、たくさんの「食べたい」モノの中から、人は自分の財布と相談しながら何を食べるかを決定する。
 
 コトラー自身は、needsを食物、衣服、住居(shelter)、安全、[社会的]帰属(belonging)、[社会的]評価(esteem)などといった人間的生存に必要なモノとの関係で規定している、そしてそれら人間的生存に必要なモノに関わる「基本的充足の欠乏を感じている状態(a state of felt deprivation of some basic satisfaction)」と規定している。
 A useful distinction can be drawn between needs,wants,anddemands. A human need is a state of felt deprivation of some basic satisfaction. People require food, clothing,shelter,safety, belonging, esteem,and a few other things for survival.These needs are not created by their society or by marketers; they exist in the very texture of human biology and the human condition.
[出典]Kotler, P.(1967,1994) Marketing Management, 8th Edition, Prentice-Hall, p.7
 
2.経営技術論におけるusefulness, wants, demand
コトラーがneedsとしている要因は、経営技術論的にはusefulness[「・・・の役に立つ」「・・にとって有用である」]という要因として解釈することとする。すなわち経営技術論の授業ではコトラー的区別を下記のように一部修正して利用する。
1. usefulnees 「・・・の役に立つ」
2. wants 「・・・を欲しい」
3. demand 「・・・を購入する」
 
[関連参考文献]
  1. 石川伸一(2014)『料理と科学のおいしい出会い: 分子調理が食の常識を変える』(DOJIN選書)化学同人、220頁
 
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