情報公共論2015.05.12

[前回の授業内容]情報公共論2015.04.28
[次回の授業内容]情報公共論2015.05.19
 
誰でも自由に無料で利用できるものとしてのcommons(共有地、共有物)に関する「コモンズの悲劇」問題
  1. 利用者が制限できなければ、「許容限度を超えた多数の人々の同時利用」や「ほかの人の迷惑を顧みない自分勝手な利用の横行」といった問題が生じる可能性がある。
  2. freeriderの利用を認めると、commonsの維持管理などの費用の強制的徴収ができないため、commonsとしての機能維持が困難になる可能性がある。
 
freeriderの排除可能性(excludability)に関する議論
freeriderの排除可能性(excludability)はgoodsの自然的性質の問題ではない。
教育サービスに関しては私学教育サービスに見られるようにfreeriderを排除可能である。それゆえ公教育においてもfreeriderを排除可能ではあるが、実際には排除してはいない。それゆえ私学教育はexcludableに、公教育はnon-excludableに位置づけられることになる。
同じようにB-CASカードを用いた顧客管理が可能なデジタル放送サービスは、WOWOW放送のようにfreeriderを排除可能である。それゆえNHK放送においてもfreeriderを排除可能ではあるが、実際には排除してはいない。それゆえWOWOW放送はexcludableに、NHK放送はnon-excludableに位置づけられることになる。

NHK放送において技術的にはfreeriderの排除が可能なことは、BSデジタル受信機の利用開始から30日後に受信設備の設置確認メッセージが表示され、そのメッセージの消去には利用者の氏名、住所などの登録が必要になることに示されている。なおNHKはその情報を放送受信料の契約業務に利用している。
[関連WEBページ]
NHKオンライン > 受信料の窓口トップ > BSデジタル放送 メッセージ消去のお申込み
NHK「BSデジタル放送メッセージ消去」

 
論点1
料金を支払わずに利用しようとするフリーライダーを排除困難(non-excludable)ではあるが、社会的に必要とされるgoodsを提供・維持するためには、何らかの形で資金・人手などのサポートが必要になる。
 
論点2
多数の人々の同時利用が困難な場合には、利用できる人と利用できない人を分けることが必要になる。その区別には、必要度に応じた区別、利用対価の支払いの有無による区別など多様な方法がある。
 
non-excludableな公共サービスの典型例としての、一般道路、軍事、警察、消防、救急、灯台
これらの公共サービスは良好な社会生活のために必要不可欠であると同時にnon-excludableであるから(あるいは、non-excludableであるべきであるから)、これらのサービスは税金で賄わることになる。
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