経営技術論2014.05.16

[前回の授業内容]経営技術論2014.05.09
[次回の授業内容]経営技術論2014.05.23

[授業の論点]
1.TechnologyとProductの相対的区別
「経営技術論」的視点からは、TechnologyとProductの区別を示すものとして、これらのWebページの記述を理解することができる。

VTR技術
ここでVTR技術と呼んでいるTechnologyをより分析的に記述すると、「動画像データを磁気テープにアナログ形式データとして記録させる」という機能の実現に関わる「諸」技術ということになる。具体的には、アナログ形式の動画データを磁気的に記録させる作業のための)ビデオテープ技術、および、(書き込み作業および読み出し作業のための)磁気ヘッド技術、ビデオテープの走行系メカニズム技術などがコア技術である。

VTR製品
ソニーは古くからVTR技術という<Technology>に基づくビデオテープレコーダー(Video Tape Recorder, VTR)製品という<Product>の開発に取り組んできており、1958年には国産初のビデオテーレコーダー試作第1号機(Ampex方式4ヘッド、テープ幅2インチ)を完成させている。
そしてソニーにおけるVTR製品というProductの開発と並行し、富士フイルムはVTR製品に必要不可欠なビデオテープ製品というProductの開発に従事し、1959年には「国産初の放送用ビデオテープ」を製造している。
VTR製品は、そのビデオテープの収納方式により、オープンリール型とカセット型に大別できる。カセット型ビデオテープを利用するVTR製品は、アメリカではVCR(ビデオカセットレコーダー, Video Cassette Recorder, VCR)製品と呼ばれている。
 日本におけるVCR製品としては、U規格VTR(1969年発表、1971年発売開始)、松下寿電子工業のVX方式VTR(1975年発売開始)、ソニーのβ(1975年発売開始)/βII(1977年発売開始)/8ミリビデオ(1985年発売開始)、ビクターのVHS(1976年発売開始)など多種多様な製品が存在する。
 
fig_511150_03

 

2.一つのTechnologyが多種多様なProductに「利用」される
一つのTechnologyが多種多様なProductに「利用」されているということは、数多くの新製品開発に先立ってTechnologyが存在すること、および、既存のTechnologyの活用を目的としたTechnology-oriented Innovationが存在することを示唆している。

/次回以降の授業との関連/
諸Technologyを利用して、「Productにどのような機能を持たせるのか?」「それぞれの機能の性能をどの程度にするのか?」が製品設計(Product design)の問題である。
 

3.同一のTechnologyを利用した異なるProductの具体例
ビデオテープ技術

 

[授業配付資料]

復習+α>1.必要性や有用性に基づく新製品開発や新サービス開発の連鎖的展開


ポイント1>「どのような必要性・有用性を対象とするのか?」、「関連事業として何を想定するのか?」で、どのようなProductの開発を目指すのかが異なる。またTechnologyの利用法が異なる。
ポイント2>上記の結果として、同一のTechnologyに基づくProduct Developmentにおいても、互換性のない異なるProductになる場合もある。Technologyの利用の仕方・方向性によって異なるProductになってしまう。
ポイント3>Product Developmentの方向性の規定要因としての、企業における基本的value(価値観)・value system(価値体系) —- 「軽薄短小」化の「画期的新製品の提供」をおこなうfirst-moverとしてadvantageの獲得を目指すSONY vs 「水道哲学」というvalueに基づき「良質な低価格品の提供」をおこなう松下電器=パナソニック
ポイント4>バンドワゴン効果

[関連参考サイト]

http://www.fujifilm.com/products/recording_media/technology_milestones/

磁気テープに関するこうした「技術」開発は、明確なnecessity/usefulnessに基づく「技術」開発ではあるが、明確なdemandに基づく「技術」開発とは言いがたいのではないか?
 
本Webページでは技術に関して、長期的に事業活動・事業展開を支えるのに必要な基本的技術を<基盤技術>とし、事業活動・事業展開において他社との差異化の実現を可能とする中核的技術を<コア技術>と呼んでいる。
基盤技術とは、当社事業を支える基礎であり、顧客ニーズに応えることができる技術力を指しています。一方で、商品差別化の源泉となる競争優位性があり、新たな価値を共に創る、「共創」の核となり得る技術をコア技術と定義しています。」
 

 

カテゴリー: 2014年度, 2014経営技術論, 授業メモ, 経営技術論 パーマリンク