経営技術論2014.05.02

[前回の授業内容]経営技術論2014.04.25
[次回の授業内容]経営技術論2014.05.09

[授業配付資料]

  1. 「化学の底力でイノベーション 先端材料で新しい時代を開拓:東レ」『日経ものづくり』2014年05月号(特集1:製造業 次の一手)、pp.40-43
  2. 日本経済新聞(2013)「世界シェア調査、日本勢、得意分野で明暗、炭素繊維、東レが首位堅持」『日本経済新聞』2013年7月1日朝刊

[今回の授業内容および授業後の補足]
1.前回の授業内容の復習プラスアルファの議論
(1) necessityの充足やusefulnessの実現に関わるProductの要素としての、Functionおよびperformance
「ターゲット顧客のnecessityを充足するには、あるいは、ターゲット顧客にとって実際にusefulであるようにするためには、Productはどのようなfunctionを持っていることが必要なのか?またそのfunctionに関してどの程度以上のperformanceが必要なのか?どの程度以上のperformanceは必要としてないのか?」というアプローチ法にもとづく議論を今回はおこなっている。
ex. 多機能携帯端末としてのスマホという製品は、「通話」機能、「カメラ」機能、「メール」機能、「フルブラウザー」機能などを持っていることが必要とされている。そして現代では「カメラ」機能に関して画素数が数百万画素以上という性能が必要である。

     ↓

(2) functionの実現やperformanceの達成に関わる主要要素としてのTechnology
上記のようなアプローチ法からは、「Productに必要とされるfunctionの実現やperformanceの達成には、どのようなTechnologyが必要なのか?」というTechnology視点からの議論が必要となる。
 
2.「必要性/有用性」という概念的規定
(1) 製品カテゴリーの構成・分類に関わる「抽象」的規定としての「必要性/有用性」
ex.1 水分摂取の必要性/有用性に対応した製品カテゴリーとしての「水」製品、「飲料」製品
ex.2 カロリー摂取・栄養摂取の必要性/有用性に対応した製品カテゴリーとしての「食品」製品

水分、カロリー、栄養というのは、企業が製造・販売している特定の具体的なproductを指すものではなく、企業が製造・販売しているproductがどのような製品カテゴリーに属するのかを規定している抽象的規定である。
水分補給という機能を持った製品が「水」製品である。「カロリー」補給や「栄養」補給という機能を持った製品が「食品」製品である。

ex.3 病気治療の必要性/有用性に対応した製品カテゴリーとしての「医薬品」製品
病気を医学的視点から治療する機能を持った製品が「医薬品」製品である。
  

(2)「一つの機能」に対応する「複数の製品カテゴリー」
一つの機能に対して、一つの製品カテゴリー(あるいは一つの製品市場)が対応するというわけでは必ずしもなく、複数の製品カテゴリーが対応する。

ex.1 水分摂取という必要性を充足する機能を持った製品は、多種多様に存在する。

現代社会では水分摂取の必要性を満たすモノとして多種多様な製品が存在する。価格.comで調べれば解るように、「水」という製品カテゴリーに属する製品として多種多様な製品が販売されている。

さらにまた水分補給という機能は、「水道水」、「ミネラルウォーター」、「ブランド水(名水、銘水)」などの「水」製品カテゴリーに属する製品だけでなく、「野菜ジュース」、「お茶」、「コーヒー」、「ビール」など「飲料」製品カテゴリーに属する多種多様な製品も持っている。
 

ex.2 カロリー摂取・栄養摂取という必要性を充足する機能を持った食べ物・料理は、多種多様に存在する。

「洋食」「和食」「インド料理」「中華料理」「エスニック料理」などの多様な料理カテゴリー
インスタント食品、ファーストフード、お菓子など

 
ex.3 生活習慣病という病気に対する対処法は複数のアプローチが存在する。

医学的視点からは「医薬品」製品がまず第一に想定される(あるいは病院は「医薬品」製品による治療を提供している)が、健康科学的視点からは運動や食事が想定される(あるいは健康科学的視点からは「スポーツジムでの適切な運動」や「カロリーや栄養にきちんと配慮した食事」による対応が重要である)。
    ↓
生活習慣病をなおす必要性・有用性に対しては、「医薬品」製品市場、「スポーツ」市場、「トクホ(特定保健用食品)」市場など複数の製品市場・サービス市場が対応する。
 
 
(3)「機能」(Function)と「性能」(Performance) —- Technologyによって主に規定される二要素
必要性の充足に関わる理論的規定としての機能(Function)
有用性の程度に関わる理論的規定としての性能(Performance)
 
 
 
3.「wants」という概念的規定は「具体」的規定である
(1) wants の対象となるのはProduct(製品)である
Productに関しては、下記のことに注意する必要がある。
1> Productが「複数の機能を持つ」ことに注意する必要がある。Productによってどのような機能を持つかが異なる。(医薬品であれば、副作用という機能の有無がProductの競争力を左右する。副作用を持たない薬の方が良い。薬に関して良い品質のProductとは、ターゲットとなる機能以外の機能を持たないことである。)
2> 同一の機能を持つProductに関して、性能が異なるProductが販売されている。すなわち、Productごとに必ずしも性能は同一ではない。
  
(2) Product development(製品開発)における焦点としての、「機能」設計、「性能」設計、「素材」選択、「構造」設計などの技術的決定
New Product(新製品)に

「どのような「機能」を持たせるのか?」、
「どの程度の「性能」を持たせるのか?」、
「どのようなmaterialでそのことを実現するのか?」
「どのようなpartsでそのことを実現するのか?」
「どのようなmoduleでそのことを実現するのか?」

といった経営技術論的決定がProduct design(製品設計)の問題である。

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