技術戦略論2013.11.22

[前回の授業内容]
[前回の授業ポイントの復習]
「差異化重視」戦略—スーファミ(1990) からN64(1996)への製品イノベーション
N64への製品イノベーション・プロセスにおける差異化

メガドライブ(1988)やスーファミ(1990)などの16ビットゲーム専用機世代に代わる新世代製品としてのソニーのPS(1994)やセガのセガサターン(1994)などの32ビットゲーム専用機の社会的普及が進む中で、任天堂はそれら32ビットゲーム専用機に対して「差異化重視」戦略に基づく製品イノベーションで競争優位の獲得を目指した。
すなわち、新世代機のN64(1996)で旧世代機のスーファミ(1990)のゲームソフトを動作させるという互換性維持を犠牲にして、新世代機の性能向上を追求した。CPUのbit数は旧世代機のスーファミ(1990)の16ビットから新世代機のN64では64ビットに大幅に上げるとともに、CPUの処理速度も約1MIPSから125DMIPSへと100倍以上も高速にし、性能向上による差異化で競争優位を確保しようとした。

「互換性維持重視」戦略—GAMECUBE(2001) からWii(2006)への製品イノベーション
Wiiへの製品イノベーション・プロセスにおける互換性維持
据置型ゲーム専用機に関する任天堂のそれ以前の製品イノベーションでは、新世代機で旧世代機のゲームソフトは動作しなかったが、Wiiという新世代機では旧世代機Gamecubeのゲームソフトが動作するようになっている。すなわち、Wii以前の製品イノベーションでは旧世代機との互換性が維持されてはいなかったが、Wiiへの製品イノベーションでは旧世代機との互換性維持がなされている。

Wiiへの製品イノベーション・プロセスにおける性能向上の度合いの相対的低さ
CPUのbit数は64ビットのままで変化がなく、CPUの処理速度も1125MIPSから2250MIPSへと2倍になっただけであり、性能向上による差異化で競争優位を確保しようとした製品イノベーションではない。

(これに対して、XBOX360は、CPUの処理速度を前世代機の約3.2倍にするとともに、CPUのbit数を32ビットから64ビットに変更するという大幅な性能向上を実現している。またPS3は、Wiiと同じくCPUのbit数は64ビットのままで変化していないが、CPUの処理速度は前世代機の約23.5倍となっており、かなり大幅な性能向上を実現している。)

[次回の授業内容]
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