技術戦略論2013.11.8

[前回の授業内容]
[前回の授業内容の復習 — CPUのビット数(CPUが一度に処理可能な情報量)に関する技術革新の持つ意味]

1.CPUが一度の動作で取り扱い可能な対象範囲に関する性能向上
現代のデジタル情報機器は一般に、バイナリー形式(2進法形式)で情報を取り扱う。すなわち、「0なのか、1なのか」を情報処理の基礎としてしている。そして「0なのか、1なのか」という情報の基礎単位を1ビットと呼んでいる。

CPUの
ビット数
一度の動作で
取り扱い可能な
対象の数
一度の動作で取り扱い可能な
対象範囲の具体例
4ビット 24=16 数字(0~9)、アルファベット(A-Z,a-z)
8ビット 28=256 数字(0~9)、アルファベット(A-Z,a-z)、
ひらがな、かたかな
16ビット 216=65,536 数字(0~9)、アルファベット(A-Z,a-z)、
ひらがな、かたかな
漢字
2.アドレス空間の大きさ(CPUが一度の動作で取り扱い可能な数)に関する性能向上
CPUによるメモリアドレス指定に対応した記憶管理の単位を1KBとした場合に、CPUの一度の動作で指定可能なメモリ空間の大きさは、CPUのビット数に関する技術革新によって下記のように性能向上がなされる。

CPUの
ビット数
一度の動作で
取り扱い可能な
メモリ空間の大きさ
対応する記憶装置の
の具体例
4ビット 24=16KB
8ビット 28=256KB
16ビット 216=65,536KB=64MB FD(1.4MB)、CD-ROM(640MB)
32ビット 232=4GB FD(1.4MB)、CD-ROM(640MB)、
DVD(4.7GB)
64ビット 264=16EB(1TBの1600万倍) FD(1.4MB)、CD-ROM(640MB)、
DVD(4.7GB)、ブルーレイ(片面25GB)

[参考となる技術的知識]
2の累乗計算値
24=16
28=256
216=26×210=64×1024=64K
232=22×210×210×210=64×1024×1024×1024=4G
264=22×210×210×210=64×1024×1024×1024=4G

1画面の情報量
標準的には、1画素当たりの「色」に関する情報量は、3バイト=24ビットである。(というのは、光の3原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色それぞれに関して、明るさを256段階に分けて指定するのが一般的である。256=28であるから、256段階で明るさを指定するのに必要な情報量は8ビット=1バイトである。それゆえ3色では3バイトの情報量になる。)
なお224=24×210×210=16×1024×1024=16,777,216であるので、24ビットの情報量で色を指定すると、全部で16,777,216色を指定できることになる。

1画面の色情報を指定するのに必要な情報量は、画面の画素数に応じて次のように大きくなる。
DVDなどの標準画質である約30万画素(640ドット×480ドット)の場合 — 900KB
フルハイビジョン画質である約200万画素(1920ドット×1080ドット)の場合 — 6,075KB≒約6MB

住所に関する郵便番号表示に必要な情報量
手紙やはがきなどの郵便物、および、宅配便の自動仕分けに郵便番号が利用されている。
郵便番号が5桁から7桁になったことの意味は、2桁分だけ郵便番号を増えることで、郵便番号で指定可能な住所の数が102=100倍になったことを意味する。
すなわち郵便番号が5桁の時には105=10万個であったのに、郵便番号が7桁である現在では107=1,000万個の住所分類が可能であることを意味する。それゆえ7桁の場合には、郵便番号の処理に107ビット≒9.5MB以上のアドレス空間を必要とすることになる。

[次回の授業内容]
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