基礎専門演習2017.04.11

Innovationの分析視点
1.seeds — innovation遂行の種となるもの(研究開発投資による新技術の開発)
2.needs — innovationの必要性、innovationへの欲求、innovationに対する市場的需要
 
Innovationの分類1
1.product innovation – productに関するイノベーション
ガソリン自動車→ハイブリッド自動車→燃料電池自動車などといった、製品(product)に関するイノベーション
2.process innovation – production processに関するイノベーション
動画コンテンツとしての広告というproductそれ自体は以前と変わらない。innovationをしているのは、広告配信プロセス
 
カテゴリー: 2017基礎専門演習, 基礎専門演習 | コメントする

技術戦略論2016.10.27

[前回の授業内容]技術戦略論2016.10.20
[次回の授業内容]技術戦略論2016.11.10
 
[今回の授業内容]
先駆者に適した価値規範・価値意識(Value) vs 後発者に適した価値規範・価値意識(Value)、「持続的競争優位の源泉をどこに置くのか?」という価値判断的決定
 
カテゴリー: 授業メモ | コメントする

技術戦略論2016.10.20

[前回の授業内容]技術戦略論2016.10.13
[次回の授業内容]技術戦略論2016.10.27
 
[今回の授業内容]
PorterのValue Chain概念 vs クリステンセン(Clayton M. Christensen)のValue Network概念
Porter Christensen
「製品価値」、「製品製造プロセスによて生み出される付加価値」としてのValue, 「客体」的Value 主体の価値規範・価値意識としてのValue, 「主体」的Value
 
価値相互の両立不可能性あるいは両立困難性
大学における単位取得に関するcost-leadership的戦略 vs differentiation的戦略
企業の新製品開発におけるcost-leadership的戦略(低製造コスト化優先の新製品開発) vs differentiation的戦略(新機能実現優先の新製品開発、高性能化優先の新製品開発)
新規開発モジュールなき新製品開発 vs 新規開発モジュールありきの新製品開発

「新製品開発におけるcost-leadership戦略vs differentiation戦略 — Wiiと初期PS3の製造コストの比較」

カテゴリー: 2016技術戦略論, 技術戦略論, 授業メモ | コメントする

技術戦略論2016.10.13

[前回の授業内容]技術戦略論2016.10.06
[次回の授業内容]技術戦略論2016.10.20
 
[今回の授業内容]
「ある企業が何ができ、何ができないか?」を直接的に制約=規定している要因は、企業が有している技術力や人的資源である。
 プログラム開発に関わる優れた技術力や人的資源が自社内にない場合には、「自社のハードウェア製品の動作に必要なソフトウェア」は他社に開発を依頼するとか、「自社の業務遂行に必要なソフトウェア」を自社開発するのではなく他社から購入するほかない。
 たとえば、ゲーム機というハードウェア製品はそのハードウェア製品上で動作するソフトウェア製品が必要不可欠である。自社にゲーム機に対応し、なおかつ、競合ソフトウェア会社に対抗できる優れたゲーム・ソフトウェアを開発する優れた技術力・人的資源が自社内になければ、他社製のソフトウェアに期待するしかない。
 銀行は自社の業務プロセスに関して最もよく知っているはずであるが、だからといって自社の業務のIT化に必要なハードウェアを新規開発できる技術力・人的資源や、ハードウェアを製造するための製造設備を自社の内部にもっているわけではない。また、優れた業務用ソフトウェアを開発するのに必要な技術力・人的資源を自社の内部に抱えているわけでもない。
 それゆえほとんどの銀行は、銀行業務のIT化に必要なハードウェアを自社で開発・製造もできないし、、自社の業務プロセスのIT化に対応したソフトウェアを自社で開発できない。その結果として業務のIT化は、他社まかせとなってしまっている。そのように他者任せの場合、すなわち、業務のIT化を外部資源に依存している場合には、優れた外部資源の囲い込み(他社を排除し、自社で独占すること)ができなければ、業務のIT化という歴史的機会において、他社に対する相対的競争優位を獲得することもできない・
価値規範(value)が企業の活動プロセス(process)を規定し、、活動プロセス(process)が企業がどのような資源(resource)を持つのかを規定している、というクリステンセンの主張を紹介した。
1. 松下電器(現Panasonic)におけるvalue-process-resource
Value 水道哲学 christensen_value_process_resource
Process 業務プロセスにおける低価格・高品質の最優先化
Resource 製品の低価格化・高品質化に強い人的資源や技術資源
より高度な生産技術(production technology)
補足的注意事項
現代では、「環境汚染」=「自然環境の悪化」にともない、松下幸之助が想定していた「水道」とは異なる「水道」になっている。松下幸之助が想定していたのは20世紀前半期における水道である。

松下幸之助の水道哲学は、下記のような松下幸之助の発言に基づく経営理念=value(価値規範)であり、「20世紀前半期における水道の水のように低価格で高品質な製品の大量供給する」ことを最も重視する考え方である。当時の水道水は、井戸水など良質な水源を利用することで処理コストを掛けずに低価格で供給できたことがある。川や湖などの水源の水質悪化が進めば進むほど、「劣悪な水」を「健康上問題がなく、飲用可能な水に変える」ための処理コストがかさむし、人口増大や産業発達にともなう水道利用量の増大、水道供給範囲の広域化にともなって安定水源確保のためのコストや送配水施設コストがかさむことになる。

東京都水道局「高度浄水処理について」
東京都水道局「安定した水源の確保」
東京都は2014年度に、水源の確保や浄水場などの施設の整備に約203億円を、送配水施設の整備に約935億円を支出している。これは料金収入3,290億円の1/3に相当する金額である。

カテゴリー: 2016技術戦略論, 技術戦略論, 授業メモ | コメントする

技術戦略論2016課題-2016-10-06(その2)

クリステンセン的な意味におけるvalueは、企業では経営哲学や経営理念という形で<価値規範>として問題となるが、製品の購入者である顧客では<価値意識>という形で問題となる。
 
2016年10月6日の配布資料のクリステンセン『イノベーションのジレンマ』の図2.2(邦訳p.67)および図2.3(邦訳p.69)はそうした顧客における<価値意識>の問題を示している。>
 
問題 下記の補足説明および補足資料を参考にしながら、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品市場と「レンズ交換」型デジタルカメラ製品市場の差異を、製品を購入する顧客の<価値意識>の差異という視点から説明しなさい。

補足説明および補足資料
大きな意味では同一の製品セグメントに属する製品であっても、<価値意識>が異なる場合には異なる製品サブセグメントとして取り扱って議論する必要がある。
 
「レンズ一体」型デジタルカメラ(コンパクトデジカメ)と「レンズ交換」型デジタルカメラ(一眼レフカメラほか)はともに、「イメージセンサー(CCD型イメージセンサー,CMOS型イメージセンサー)を利用してデジタル形式で静止画像(still picture, still image)を記録・保存する製品」としてのデジタルカメラ製品セグメントという同一の製品セグメントに属する製品であるが、それらの製品を購入する顧客の<価値意識>は異なる。
 
そうした顧客の<価値意識>に応じて、デジタルカメラ製品セグメント市場は、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場と「レンズ交換」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場に分割できる。両市場は、下記のように歴史的に異なる動きをしている。
 
  1. 「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場は2008年にピークを迎えているのに、「レンズ交換」型デジタルカメラ市場がピークを迎えたのは2012年と遅い。
  2. 2013年以降の出荷額は、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場は2011年の出荷額を下回り続けているのに、「レンズ交換」型デジタルカメラ市場は2011年の出荷額を上回り続けている。
  3. 製品の出荷単価は、「レンズ一体」型デジタルカメラ製品サブセグメント市場に対して、「レンズ交換」型デジタルカメラ市場の方が3~4倍も高い。
digital_camera_1999-2015
カテゴリー: 2016技術戦略論, 技術戦略論, 授業メモ, 授業課題 | コメントする

技術戦略論2016課題-2016-10-06(その1)

本日の授業では、価値規範(value)が、企業の活動プロセス(process)を規定していること、および、活動プロセス(process)が企業がどのような資源(resource)を持つのかを規定している、というクリステンセンの主張を紹介した。
[参考資料]
 
今回の授業では、パナソニックの創立者の松下幸之助の水道哲学などを例としながら、経営哲学や経営理念という形で企業における価値規範として、クリステンセン的な意味におけるvalueを特に取り上げた。
 
クリステンセン的な意味におけるvalueは、企業では経営哲学や経営理念という形で<価値規範>として問題となるが、製品の購入者である顧客では<価値意識>という形で問題となる。
 
本日の配布資料のクリステンセン『イノベーションのジレンマ』の図2.2(邦訳p.67)および図2.3(邦訳p.69)はそうした顧客における価値意識の問題を示している。>
 
ここで価値意識と呼んでいるのは、「顧客が自分にとって役に立つとか、有用だと意識しているのは何か?」、「顧客が何を重要な価値と考えているのか?」という価値的意識である。
 
問1 メインフレーム(大型計算機)を購入する顧客は、「どのようなvalue(価値意識)を持っているのか?」、「製品のどのような性能を自分にとって役に立つ、有用だと意識しているのか?」ということを、クリステンセン『イノベーションのジレンマ』の図2.3(邦訳p.69)との関係で論じなさい。
[参考資料]
「メインフレームは古いと言われるが、それは違う。IBMのメインフレームは来年で50周年を迎えるが、これまで投資を怠ったことはなく、たゆまぬ技術革新を続けてきた。その理由は、メインフレームが担う基幹システムに対して、高度な信頼性や可用性、拡張性を求める確固たる顧客ニーズがあったからだ」
 
問2 ノートPCを購入する顧客は、「どのようなvalue(価値意識)を持っているのか?」、「製品のどのような性能を自分にとって役に立つ、有用だと意識しているのか?」ということを、クリステンセン『イノベーションのジレンマ』の図2.3(邦訳p.69)との関係で論じなさい。
カテゴリー: 2016技術戦略論, 技術戦略論, 授業メモ, 授業課題 | コメントする

技術戦略論2016.10.06

[前回の授業内容]技術戦略論2016.9.29
[次回の授業内容]技術戦略論2016.10.13
 
[授業内容の追加・訂正]
2016.09.29授業内容の追加・訂正
2016.10.06授業内容の追加・訂正
Geocentrismとしての天動説、Heliocentrismとしての地動説
ギリシャ語で太陽をhelios、大地(地球)をgeoと表記されることから、天動説や地動説の英語表記は、下記のようになる。

天動説=地球中心モデル(Earth-centered model)
     =>地球中心説、地球中心主義(Geocentric theory, Geocentrism)
          vs
地動説=太陽中心モデル(Sun-centered model)
     =>太陽中心説、太陽中心主義(Helicocentric theory, Heliocentrism)
 

上記の対置で注目すべきは、科学的表記と価値規範的表記の二つがある、ということである。

日本語における天動説 vs 地動説という対置的表記では「天が動くのか、地が動くのか?」という物理的運動に関する科学的問題として、あるいは英語におけるEarth-centered model vs Sun-centered modelという対置的表記では科学的モデル問題として価値中立的な表記である。

これに対して、英語におけるGeocentric theory vs Helicocentric theory, Geocentrism vs Heliocentrismという対置的表記(特に後者)は、主義・主張に関わる対立を示す価値規範的な表記である。

[今回の授業に関連する課題]
カテゴリー: 授業メモ | コメントする

技術戦略論 2016.09.29

[前回の授業内容]技術戦略論2016.9.22
[次回の授業内容]技術戦略論2016.10.06
 
[今回の授業内容]
配付資料
 
授業のポイント
製品イノベーションの分析視点 — 「経営技術」論的視点からの製品分析に基づく、製品イノベーションに対する戦略的対応のための分析視点
分析視点1.製品のシステム的分析 — 「製品本体」と「補完財製品」が構成する各種「製品システム」の相対的競争優位の分析
分類視点2.製品本体の競争力の技術的分析 — 製品本体の相対的競争優位を規定しているコア技術(中核技術)的要因の分析
 
授業中には、film camera(フィルムカメラ、アナログカメラ;銀塩フィルムを記録媒体としてアナログ的に静止画像データを保存するカメラ)からdigital still camera(デジタルカメラ;コンパクトフラッシュなど半導体メモリを記録媒体としてデジタル的に静止画像データを保存するカメラ)へのイノベーションを、上記の視点から分析した。
 
分析視点1.製品のシステム的分析
 
イノベーションの分類視点2--「イノベーションによる企業の存続・非存続を基準とする分類」
業界のトップ企業が率先して取り組まなかった結果として、イノベーションの社会的普及とともに没落(fall)・破滅(disruption)したdisruptive innovation」なのか?、それとも「業界のトップ企業が率先して取り組んだ結果として、イノベーションの社会的普及の後もトップ企業として存続し続けたsustaining innovation」なのか?、という分類
 
 
レポート・サンプル1

馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、下記のような意味で、radical innovationかつdisruptive innovationである。
 
20世紀における馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、技術的連続性の有無を基準とするイノベーションの分類視点1からは、radical innovationである。
 というのも、馬車は馬という家畜・動物を原動力とする交通手段であるのに対して、ガソリン自動車はガソリンエンジンを原動力とする交通手段だからである。
 馬は動物であるから継続的に場所を引ける時間は限定されるのに対して、ガソリンエンジンは機械であるからル・マン24時間耐久レースが示すように、1日でも継続的に走り続けることができる。そうしたこともあり、馬車からガソリン自動車へのイノベーションが急速に社会的に普及し、20世紀後半には馬車を見ることはほとんどなくなった。
 
20世紀における馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、馬車という既存業界のトップ企業が率先して取り組まなかった結果として、フォードやトヨタなどの新規参入企業が成功したという意味で、イノベーションの分類視点2からは、disruptive innovationである。
また自動車業界で有力な企業であるトヨタやフォードの例を見ると、20世紀における馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、業界トップ企業の存続・破滅を基準とするイノベーションの分類視点2からは、disruptive innovation である。
というのもアメリカの自動車業界におけるトップ企業の一つであるフォード・モーターは馬車製造メーカーではなかった。同社を創業したヘンリー・フォードの父は、農場経営者であるし、創業者のフォードが最初に就職したのも James F. Flower & Bros. 社の見習い機械工としてであった。
なおフォードは、1891年にエジソン照明会社の技術者となった後、1899年に同社を退職しデトロイト自動車会社を創業したが失敗している。さらにその後、1903年にはフォード・モーターを創業し、1908年に発表したT型フォードで大成功を収め、アメリカだけでなく世界を代表する自動車会社となった。
さらにまたトヨタ自動車も、馬車製造メーカーが転身したものではない。トヨタ自動車の起源は、豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)の中に、1933年に設立された自動車部である。
 

カテゴリー: 2016技術戦略論, イノベーション論, 技術戦略論, 授業メモ | コメントする

技術戦略論 2016.09.22

[前年度の授業内容]技術戦略論2015年度
[次回の授業内容]技術戦略論2016.09.29
 
[今回の授業内容]
配付資料
 
授業のポイント
授業での主要な論点は、下記に記したように、クリステンセンが下記の二つの分類視点でイノベーションを分類している、ということである。
分類視点1.技術的連続性の有無を基準とする分類
分類視点2.イノベーションによる企業の存続・非存続を基準とする分類
 
授業中には、アナログカメラ(銀塩フィルムを記録媒体として利用するカメラ)からデジタルカメラ(コンパクトフラッシュなど半導体メモリを記録媒体として利用するカメラ)へのイノベーションを、ニコンやキヤノンといった伝統的カメラメーカー、および、ソニーやパナソニックといった家電メーカーの二つの視点から分析・考察した。
 
イノベーションの分類視点1--「技術的連続性の有無を基準とする分類」
イノベーションの基礎となる主要技術が、「イノベーション以前の技術と非連続的で断絶的なラディカル・イノベーション」(radical innovation) なのか、それとも「イノベーション以前の技術と連続的で漸進的なインクリメンタル・イノベーション 」(incremental innovation) なのか、という分類
 
イノベーションの分類視点2--「イノベーションによる企業の存続・非存続を基準とする分類」
業界のトップ企業が率先して取り組まなかった結果として、イノベーションの社会的普及とともに没落(fall)・破滅(disruption)したdisruptive innovation」なのか?、それとも「業界のトップ企業が率先して取り組んだ結果として、イノベーションの社会的普及の後もトップ企業として存続し続けたsustaining innovation」なのか?、という分類
 
 
レポート・サンプル1

馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、下記のような意味で、radical innovationかつdisruptive innovationである。
 
20世紀における馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、技術的連続性の有無を基準とするイノベーションの分類視点1からは、radical innovationである。
 というのも、馬車は馬という家畜・動物を原動力とする交通手段であるのに対して、ガソリン自動車はガソリンエンジンを原動力とする交通手段だからである。
 馬は動物であるから継続的に場所を引ける時間は限定されるのに対して、ガソリンエンジンは機械であるからル・マン24時間耐久レースが示すように、1日でも継続的に走り続けることができる。そうしたこともあり、馬車からガソリン自動車へのイノベーションが急速に社会的に普及し、20世紀後半には馬車を見ることはほとんどなくなった。
 
20世紀における馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、馬車という既存業界のトップ企業が率先して取り組まなかった結果として、フォードやトヨタなどの新規参入企業が成功したという意味で、イノベーションの分類視点2からは、disruptive innovationである。
また自動車業界で有力な企業であるトヨタやフォードの例を見ると、20世紀における馬車からガソリン自動車へのイノベーションは、業界トップ企業の存続・破滅を基準とするイノベーションの分類視点2からは、disruptive innovation である。
というのもアメリカの自動車業界におけるトップ企業の一つであるフォード・モーターは馬車製造メーカーではなかった。同社を創業したヘンリー・フォードの父は、農場経営者であるし、創業者のフォードが最初に就職したのも James F. Flower & Bros. 社の見習い機械工としてであった。
なおフォードは、1891年にエジソン照明会社の技術者となった後、1899年に同社を退職しデトロイト自動車会社を創業したが失敗している。さらにその後、1903年にはフォード・モーターを創業し、1908年に発表したT型フォードで大成功を収め、アメリカだけでなく世界を代表する自動車会社となった。
さらにまたトヨタ自動車も、馬車製造メーカーが転身したものではない。トヨタ自動車の起源は、豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)の中に、1933年に設立された自動車部である。
 

カテゴリー: 2016年度, 2016技術戦略論, 授業メモ | タグ: | コメントする

19世紀末~20世紀初頭における蒸気自動車

「自動車の動力源として、蒸気機関が最適である」とする1985年の雑誌(1月発行の創刊号)における宣伝
horseless_age_vol7-no5-p8-steam-is_best
[出典]
 
蒸気自動車に関するMilwaukee Automobile社の1901年の広告

steam_car_ad_automobile_review_vol4-no6-june_1901-p6
[出典]Automobile Review, Vol.4 No.6, June 1901, p.6

 
 
[関連参考資料]

The Horseless age, Horseless Age Co. :New York
https://catalog.hathitrust.org/Record/000543204

The Horseless age, Vol.1 No.1, Horseless Age Co. :New York, 1895の表紙horseless_age_vol1-front Age

カテゴリー: 授業メモ | コメントする

電気自動車に関するイノベーションの歴史 -- 20世紀初頭における電気自動車

考察のための前提的視点
 
20世紀初頭における電気自動車
1. 「FordとEdisonが電気自動車を買っている」という1914年3月28日付けThe Saturday Evening Postに出されたAnderson Electric Car Companyの広告
下記の広告によれば、Detroit Electricという名称の電気自動車[製造メーカーAnderson Electric Car Company]をFordとEdisonがそれぞれ3台購入している。下図の左側の写真がFord、右側の写真がEdisonである。
1914-03-28_saturday_evening_post_ford_edison
[引用元]Edwin Black(2006),Internal Combustion: How Corporations and Governments Addicted the World to Oil and Derailed the Alternatives, St. Martin’s Press,p.200
 
関連参考資料
 
 
2. 20世紀初頭における電気自動車の広告
Electric Vehicle社は、「1回の充電で40マイル(約64km)走行できること」や、電気自動車のクリーンさを強調した以下のような広告を掲載している。
american_dreams-p33-ad
[出典]Kenneth M. Morris, Marc Robinson, Richard Kroll(1991) American Dreams: One Hundred Years of Business Ideas and Innovation from the Wall Street Journal, Harry N Abrams,p.33

electric_vehicle_ad_columbia-cleaness
[出典]”Photos of Columbia Cars being built by Electric Vehicle Company of Hartford, Connecticut”
http://www.kcstudio.com/col00.html

 
3. 街頭での公衆充電装置(Public Electric-Vehicle-Charging Station) Electrant(1899年発明)の1914年型モデル
電気自動車がガソリン自動車に取って代わることができるかどうかに関して、ガソリン自動車=ガソリンスタンド=石油産業というシステムと、電気自動車=電気スタンド(充電装置)=電力産業というシステムとの相対的比較が重要である。ガソリン自動車に対して走行距離が相対的に短い電気自動車の場合には、ガソリンスタンドよりも相対的に数多くの電気スタンドを必要とする。
 ただしガソリンスタンドのように大量のガソリンを貯えておく貯蔵タンクや、タンクローリーによるガソリンスタンドへの定期的なガソリン補給の手間などを必要とせず、送電線からの電力の連続的供給によっていわば在庫ゼロで顧客が必要とする分を必要なだけ供給することができる。また電気プラグをコンセントに指す方式など充電システムの方がガソリン給油システムに比べて相対的に簡便で安全性が高いので、安全性確保のための初期設備投資額もメインテナンス費用もガソリンスタンドに比べて電気スタンドの方が低いと考えられる。
 単純化して言えば、電気コンセントさえあればどこでも簡単に充電できる。
electrant-electrical_world_vol65_1915-p179
[図の出典]”New Apparatus and Appliances” Electrical World,Vol.65 No.3(January 16,1915),p.179
https://archive.org/details/electricalworld65newyPDF版のp.199/1764
 
なお上記のような公衆充電装置は、現代イギリスでも実際に存在するが、電気自動車の社会的普及の遅れもあり、あまり利用されておらず、その維持コストの高さが問題とされている。
itvlondon_on_vimeo-2013 上記記事では、879の充電ポストの内、65%が使用されておらず、574の充電ポストのコストとして税金が7,343ポンド(1ポンド=136円とすると、約100万円)がかかるとされている。
 
 
20世紀初頭における電気自動車での、1回充電で走行可能距離に関する記録
下記WEB記事によれば、Detroit Electricは1914年に1回の充電で241マイル(約388km)を走行するという新記録を打ち立てた、との記録がある。
“The Detroit Electric”
http://www.detroitelectric.org/index.htm
 
 
20世紀初頭の「電気点火」式自動車関連参考資料
 
20世紀初頭の電気自動車関連参考資料
[関連WEBサイト]
Electric Vehicle社による電気自動車「Columbia」に関するカタログ写真
 
電気自動車 Detroit に関する1908年~1920年頃までの様々な歴史的記事、および、American Cars、1805-1942の中のDETROIT Electric Detroit, Michigan 1907-1939 Standard Catalogを画像で見ることができる。
 
[電気自動車に関する20世紀初頭の雑誌記事]
Lloyd, McAllister R. (1914) “Early History of the ElectricVehicle : First Motive and Impulse to Construct Electrics as far Back as 1886” Electric vehicles, Vol.5, No.6 (Dec. 1914), pp.233-235
 

Ayton、F., (1920) “Electric Vehicles for Brewery Service,” Journal of The Institute of Brewing.Volume 26, Issue 3
F. Ayton, M.I.M.E., Chairman and Hon. Secretary, Electric Vehicle Committee of Great Britain.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/j.2050-0416.1920.tb02440.x/pdf

 
[20世紀初頭の電気自動車関連雑誌の内でダウンロード可能な資料]
Electric vehicles : A Magazine For The Electric Motor Car User, Electricity Magazine Corp., Chicago
20世紀初頭の上記雑誌に関して、下記の号などを、Internet Archiveより全文ダウンロードできる。

[参考情報]hathitrust.orgにおいて、”Electric vehicles”でタイトル検索した結果の中には、1890年代の新聞”Electrical Age”などが”Electric vehicles”というでタイトルで表示されているので注意が必要である。またElectric vehicles, Vol.6-7(1915)Vol.7-8(1916)Vol.10(1917), Vol.10(1917)[Vol.10-11と表示されているのは誤りで、Vol.10しか収録されていない]は、カラー表紙がグレー表示になっている。
なおVol.7-8(1916)はカラー表示である。

 
 
[20世紀初頭の自動車雑誌の内でダウンロード可能な資料 — 電気自動車以外も含む自動車一般の雑誌]
 
 
 
電気自動車の歴史に関するビデオ
カテゴリー: イノベーション論, 技術戦略論, 資料紹介, 電気自動車 | コメントする

同一のMarket needsに対する、種々の技術的対応・製品的対応の可能性

「同一の市場的ニーズ(Market needs、すなわち、demand)に対して、異なる様々な技術的対応や製品的対応が可能である」ことは、技術選択論、製品選択論の理論的前提である。
 同一のMarket needsに対する技術的対応や製品的対応の多様性は、19世紀末における自動車の製品イノベーションの歴史的存在形態など、多様な典型的事例に示されている。

事例1. 19世紀末~20世紀初頭における人の移動や貨物の輸送という市場的ニーズに対する技術的対応・製品的対応の多様性
 人の移動や貨物の輸送という市場的ニーズに応える交通手段としての製品には、道路という補完財を利用する競合製品として、自転車、馬車、蒸気自動車、電気自動車、ガソリン自動車が存在した。また鉄道という補完財を利用する競合製品として、馬車鉄道(「馬」車+鉄道)、蒸気鉄道(「蒸気機関」車+鉄道)が存在した。
オールタナティブ・テクノロジー-や適正技術(Appropriate Technology)という問題を考察する際には、同一のMarket needsに対するこうした技術的対応・製品的対応の多様性の視点から考察することが必要である。
 
こうした問題に関する関連記事解説
 
20世紀初頭における自動車関連雑誌のタイトルに見る技術の多様性
20世紀初頭には下記雑誌のタイトルのように、「馬なし乗り物」(horseless vehicle)=自動車(automobile)製品用のモーターとして、「蒸気」(steam)、ガソリンなどの「炭化水素」(hydro-carbon)、「電気」(electric)、圧縮空気(pneumatic)といった様々な技術的手段を用いたモーターが競合製品として存在した。
自動車に関する製品イノベーションの初期には、アッターバックがdominant design論で論じているように、このように多種多様なproduct designの製品が存在した。そうした製品イノベーション初期の流動期を経て、ガソリン・エンジンを利用する製品が普通乗用車市場でdominant designとなったのである。
horsless_vehicles-1901-top
 
 
事例2. 同一の技術的seedsに基づく、同一のMarket needsに対する製品的対応の多様性 — 自動車における電動モーターとガソリンエンジンのハイブリッド的実装の製品的多様性
 ガソリンエンジンと電動モーターのハイブリッド的実装という同一の技術的対応を選択した場合でも、下記のように種々の製品的対応が可能である。

  1. 電動モーターをセルモーターとしてエンジン始動に利用する旧来型のガソリン自動車製品
  2. 外部充電ができない従来型HV自動車
  3. 外部充電が可能な新型のPHV自動車
 
<参考資料>20世紀初頭における自動車雑誌の表紙に見るガソリン自動車 — Electic Vehicle社のElctric and Gasolene Automobiles,Mark VIII Columbia Gasolene Runabout

electric_vehicle_automobile_review_vol4-no3-1901-top
[出典]
Automobile Review, Vol.4 No.3, March, 1901の表紙Automobile Review, Vol.4, 1901のNo.4, No.5の表紙もこれと同じ画像が使われている。

 
カテゴリー: イノベーション論, 技術的対応の多様性-技術選択論, 製品的対応の多様性-製品選択論 | コメントする

製品の中身のチェック

製品の中身をチェックすべき社会的必要性
 
製品の中身をチェックできる能力、および、中身をチェックすべき責任
肉のDNA検査により、肉の種類を判別できる。すなわち、牛肉なのか、豚肉なのか、鶏肉なのかを識別できる。
 
カテゴリー: 情報公共論, 授業メモ | コメントする

放送の公共性

放送の公共性に関する公共経済学的視点からの分析
(1)放送電波に関する公共経済学的視点からの理解 — 放送電波の二重性(「供給者」視点と「視聴者」視点)
「供給者」視点 —- 事業の前提となるリソースのrivalrous性
「視聴者」視点 —- 視聴行為に関するnon-rivalrous性とnon-excluable性
 
(2)放送事業に関する公共経済学的視点からの理解 — 放送事業の二重性(「供給者」視点と「視聴者」視点)
Public goodsの定義から見たNHK放送番組コンテンツ

要件A.Non-rivalrous性(非-競合性)

放送電波は、「事業者」視点から見ると、rivalrous
    ↓
利用可能な電波は有限
有限な資源としての電波、携帯電話用電波のプラチナバンドとしての70MHz帯、900MHz帯
[参考資料]佐野正弘(2012)「もう1つのプラチナバンド“700MHz帯”の行方はいかに?」日経トレンディ2012年07月04日
    ↓
電波の利用は免許制で、免許を受けた私企業はある電波帯を独占的に利用できる
同一電波帯を同時に利用できる事業者は一社に限定される。同一の電波帯に二つの事業者が同時に放送することは混信を招くためダメである。
    ↓

電波利用料、電波オークション

放送電波は、「視聴者」視点から見ると、non-rivalrous
    ↓
何千万人が同時に見てもまったく競合は生じない
一方向的な伝達のための無線という技術的手段=放送電波の特殊性

要件B.Non-excludabe性(非-排除性)
NHKの「地上波デジタル放送」「衛星放送」
技術的には、「誰でも無料で視聴することができる」ように設計されているという意味でnon-excludable
WOWOWなどがそうしているように、B-CASカードの情報を利用することで、freeriderを排除するシステムにすることは技術的には可能である。しかしながら、NHKという「公共」放送局、および、日本テレビやフジテレビなどといった「民間」放送局は、地上波デジタル放送のすべて、および、衛星放送のほとんどにおいてfreeriderを排除しないシステムを採用している
法的には、「誰でも無料で視聴することができる」ような契約になっているという意味でnon-excludable

 

[さらに進んで調べるための参考資料・データ]
カテゴリー: 公共経済学, 情報公共論, 放送 | コメントする

The software is licensed, not sold. — なぜソフトウェアは「販売」されないのか?

営利企業であるマイクロソフトは1975年の創業当時から、「所有」と「利用」の分離を事業経営の根幹に置いている。そのことは、下記WEBページに見られるように、自社のソフトに関して”The software is licensed, not sold.”(「本ソフトウェアは許諾されるもので、販売されるものではありません。」)と宣言していることにも示されている。
 
トヨタはユーザーに自動車を販売しているし、ソニーはユーザーにPCを販売している。しかしマイクロソフトはユーザーに自社のソフトを販売しているわけではない。
 
[考察してみよう]
なぜマイクロフトは”The software is licensed, not sold.”としているのかを営利企業としての戦略という視点からわかりやすく説明しなさい。

 

すなわちマイクロフトは、ソフトウェアを販売しないことでどのような経営上のメリットを享受しているのかを説明しなさい。

 
[関連資料]
1.使用許諾契約書
(1) Apple iOSソフトウェア使用許諾契約(Apple iOS Software License Agreement)
「ソフトウェア(ブートROMコードおよびその他の組込ソフトウェアを含む)、文書、インタフェース、コンテンツ、フォント、および一切のデータは、本契約条件に従う場合に限りにおいてお客様に使用を許諾したものであり、お客様に販売したものではありません。また、Appleおよびそのライセンサーは、iOSソフトウェア自体の所有権を保持し、お客様に非明示的に付与した権利のすべてを留保します。」(引用に際して、訳を一部改変している)pdf p.32/325
“The software (including Boot ROM code and other embedded software), documentation, interfaces, content, fonts and any data that came with your iOS Device (“Original iOS Software”),・・・ are licensed, not sold, to you by Apple Inc. (“Apple”) for use only under the terms of this License. Apple and its licensors retain ownership of the iOS Software itself and reserve all rights not expressly granted to you.” PDF p.1/325

 
(2)マイクロソフト ソフトウェア使用許諾契約書
How can I use the software?
The software is licensed, not sold. Under this agreement, we grant you the right to install and run one copy on the computer on which you acquired the software (the licensed computer), for use by one person at a time, but only if you comply with all the terms of this agreement. The software is not licensed to be used as server software or for commercial hosting, so you may not make the software available for simultaneous use by multiple users over a network. For more information on multiple user scenarios and virtualization, see the Additional Terms.
 
b. マイクロソフト Officeソフトウェア使用許諾契約書
マイクロソフトは、本ソフトウェアまたはその複製をお客様に販売するものではなく、その使用許諾を与えるものです。
 
Q.本ソフトウェアで許可されない行為などはありますか。
A. はい。本ソフトウェアはライセンス許諾されるものであり、販売されるものではないため、本ライセンス条項に明示的に許諾されていない権利 (知的財産に関する法律に基づく権利など) はすべてマイクロソフトが留保します。特にこのライセンスは、次の行為に関してお客様にいかなる権利も与えるものではなく、お客様は次の行為を行うことはできません。本ソフトウェアの機能を別々に使用または仮想化すること。本ソフトウェアを公開、複製 (許諾されたバックアップ用の複製を除く)、レンタル、リース、または貸与すること。本ソフトウェアを譲渡すること (本ライセンス条項で許諾されている場合を除く)。本ソフトウェアの技術上の保護手段の回避を試みること。本ソフトウェアに対してリバース エンジニアリング、逆コンパイル、または逆アセンブルすること。ただし、関連する法令において、禁止の合意にもかかわらずこれらの行為が許可されている場合のみ、この制限に関係なく、このような行為も法の範囲で許可されます。お客様は、インターネット ベースの機能を使用している場合、第三者によるそれらの機能の使用を妨げる可能性のある方法で、またはサービス、データ、アカウント、もしくはネットワークに不正な方法でアクセスを試みるために、これらの機能を使用することはできません。
 
「本ソフトウェアは許諾されるもので、販売されるものではありません。」
 
3. SCOPE OF LICENSE.
The software is licensed, not sold. This agreement only gives you some rights to use the software. Microsoft reserves all other rights. Unless applicable law gives you more rights despite this limitation, you may use the software only as expressly permitted in this agreement. In doing so, you must comply with any technical limitations in the software that only allow you to use it in certain ways.
 
You may not
• work around any technical limitations in the software;
• reverse engineer, decompile or disassemble the software, except and only to the extent that applicable law expressly permits, despite this limitation;
• make more copies of the software than specified in this agreement or allowed by applicable law, despite this limitation;
• publish the software for others to copy;
• rent, lease or lend the software;
• transfer the software or this agreement to any third party; or
• use the software for commercial software hosting services.
 
2.プロプライエタリ・ソフトウェアの「販売」形態 — 製品販売ではなく、ライセンス販売という形態を取ることの意味
「製品販売」ではなく、「利用許諾」
本ソフトウェア製品は、著作権法及び著作権に関する条約をはじめ、その他の無体財産権に関する法律および条約によって保護されています。本ソフトウェア製品は許諾されるもので、販売されるものではありません。
 
リバースエンジニアリング、逆コンパイル、逆アセンブルの制限
お客様は、本ソフトウェア製品をリバースエンジニアリング、逆コンパイル、または逆アセンブルすることはできません。ただし、適用される法律により明示に許可されている場合はこの限りではありません。
 
The application is licensed, not sold. This agreement only gives you some rights to use the application.”
“you must comply with any technical limitations in the application that only allow you to use it in certain ways. You may not: ・・・ b. Reverse engineer, decompile or disassemble the application, except and only to the extent that it is expressly permitted by applicable copyright law provisions for computer programmes.”

 
カテゴリー: 情報公共論, 授業メモ, 著作権 | コメントする

private goods, common goods, club goods, public goodsの区別 — ソフトウェアを例とした説明

Internet Explorer というウェッブページ閲覧用ソフトは、WindowsOSに標準で装備されているだけでなく、下記WEBページから無料でダウンロードすることができる。すなわちfree riderを排除していないnon-excludableなソフトウェアである。
そしてInternet Explorerはマイクロソフトが許可を与えた人だけしか利用できないわけではなく、多数の人々が同時に利用可能である。その意味でnon-rivalrousである。
それゆえInternet Explorer というウェッブページ閲覧用ソフトは、public goodsと位置付けることができる。
[Internet Explorer というウェッブページ閲覧用ソフトの無償ダウンロードのためのWEBページ]
 
ビックカメラやヨドバシカメラでユーザーが購入するパッケージ版のMS Office(ワードやエクセルなどのソフト)製品は、マイクロソフトとのライセンス契約により、利用できるのは登録ユーザーだけに限定されており、デスクトップPC1台、ノートPC1台までの利用しか認めらていない。それゆえ同時に多数の人々が利用することは法的にできない。その意味でrivalrousである。(OFFICE365は、同一ユーザーが同時にインストール可能な台数の制限が緩和され5台までとなってはいるが、マイクロソフトにユーザー登録したユーザーのみに利用が限定されており、多数のユーザーが同時に利用できるわけではないという意味でrivalrousである。)
 またビックカメラやヨドバシカメラで購入する必要があるため、free riderは法的に許されてはいない、すなわち、excludableである。
それゆえビックカメラやヨドバシカメラでユーザーが購入するパッケージ版のMS Office(ワードやエクセルなどのソフト)製品は、private goodsと位置付けることができる。
[登録ユーザー限定利用、および、インストール可能台数の制限に関する説明WEBページ]
カテゴリー: 授業メモ | コメントする

経営技術論2016.07.21

コア要素技術「液晶技術」を軸とした製品イノベーション戦略に関するクリステンセン的理解
理解のために必要な理論的視点
1.汎用的技術としての「液晶技術」(授業初期における汎用機 vs 専用機の議論を参照のこと —- スマホ vs ゲーム専用機、トヨタ vs 日産)
2.汎用的技術による複数の製品セグメントにおける技術的競争優位性の確保(電卓市場→モノクロ表示型ノートPC市場→カラー表示型ノートPC市場→カラーTV市場→スマホ市場?)とシャープの問題点
3.ProductのFunction, Performance, Quality, Cost —- ただし「故障しない」、「安全性」などのQualityも企業経営や経済学的にはCost問題である。社会的視点からは生命の問題、社会的不安の問題として全く異なる問題ではあるが、原発の安全性に関する東電などの営利企業の場合がそうであったように、企業経営的にはCost問題として現象する。
 

東レの炭素繊維

 
カテゴリー: 授業メモ | コメントする

情報公共論 2016.07.19

OSS-2015-fig1-open
OSS-2015-fig2-change
OSS-2015-fig3-copyright

一括翻訳(翻訳書タイプ) vs 逐次翻訳(同時通訳タイプ)
筋肉を鍛えること — 肉体を構成する内部的構造に関する理解の必要性
日本語版ウィキペディア「人間の筋肉の一覧」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
https://ja.wikipedia.org/wiki/人間の筋肉の一覧
肩を鍛える筋トレメニュー
なぜ文字化けが起こるのか? --- 「文字コード」と「その解釈体系」(対応)
 
ボランティアに支えられたソフトとしてのFreesoftware — 「自由なソフトの開発者は何から生活費を得ればよいのですか?」という問いに対するストールマンの回答
「ほとんどの自由なソフトの開発者はボランティアでやってる。50万人以上の開発者がいるが、ほとんどは別の仕事を持っているだろう。よくは知らないが・・・多分、システム管理者やカスタム・ソフトの開発や、もしかするとコンピュータとは全く関係のない仕事かもしれない。自由なソフトの開発者がたくさんいる限りシステムは動くし、何も問題はない。
 逆に聞きたいが、なぜ、自由なソフトの開発者は自由なソフトから生活費を得ねばならないと心配するのか。おそらく、一般の人はソフト開発者はお金をもらわないとソフトを開発しないと考えているのだと思う。だから、自由なソフトの開発者も自由なソフトの開発からお金をもらわないとソフトを開発してくれないのでは、と思ってしまうのだろう。これは飛行機が飛ぶことを信じないようなものだ。
 もちろん、自由なソフトの開発で生計を立てることができれば、自由なソフトはもっと増えるし、それはいいことだ。だから、多くの人が、自由なソフトのプロジェクトを財政的に支えてくれることが重要だ。」
「フリーソフトは“自由なソフト”と呼ぼう–リチャード・ストールマン氏」2003年4月21日
[出典]http://www.nikkeibp.co.jp/archives/243/243177.html
 
自由なソフトならコンピュータの仕組みが学べる — 「FSFは自由なソフトを広めることが目的ですが、教育的な活動を行う予定はありますか。」という質問に対するストールマンの回答
「FSFが学校での活動に直接参加することはやっていない。時間がないし、他の多くの人々が従事している。ただ、学校で自由なソフトを使うように促すことはやっている。自由なソフトの共有は、子供にお互いが協力することを教える。学校は「ソフトは全部ここにある。コピーしてもっていこう」と言うべきだ。
 子供が成長して、13歳や15歳になって、コンピュータがどうやって動くのかに興味を持った時も、(ソースコードが非公開で専有的な)プロプライエタリ・ソフトでは学べない。全部秘密になっている。自由なソフトなら学ぶことができ、良いプログラマになる。日本にはたくさんのプログラマがいるが、凄腕のプログラマは少ない。これは、プログラミングを学ぶことがただの仕事になっているからだ。本当に良いプログラミングをするには、コンピュータと遊ぶこと、ソフトと遊ぶことだ。コンピュータ・ゲームのことではなく、ソフトを変更することを理解して遊ぶこと。日本語の勉強と同じで、プログラムをたくさん読むことがよい学習となる。学校は、自由なソフトを使って、そういう機会を子供へ提供すべきだ。
「フリーソフトは“自由なソフト”と呼ぼう–リチャード・ストールマン氏」2003年4月21日
[出典]http://www.nikkeibp.co.jp/archives/243/243177.html
 
課題>「コピーレフト」について下記のことに触れしながら、レポートを書きなさい。(6点)
1. コピーレフト(copyleft)という単語は、著作権に対応する英単語との関連で、いくつかの含意を持っている。copyleftという単語に込められているニュアンスは何かがわかるようなレポートを書きなさい。(複数の含意が存在するので注意すること)
 
2. 公共的情報財としては、「Public domain に属するソフトウェア」(Public Domain Software, 略称 PDS)と、「コピーレフト(copyleft)に属するソフトウェア」がある。歴史的には前者が最初に登場し、後者がその後に登場している。
 「コピーレフト(copyleft)」の提唱者たちは、PDSの弱点を補うことが必要だと考えて、「コピーレフト(copyleft)」を対抗概念として持ち出した。
 このことはどういうことなのかがわかるようなレポートを書きなさい。
 
[参考文献]
カテゴリー: 2016年度, 2016情報公共論, 情報公共論, 授業メモ | コメントする

情報公共論課題 – 行政の電子化とオープン化

「近年、公共データの活用促進、すなわち「オープンデータ」の推進により、行政の透明性・信頼性の向上、国民参加・官民協働の推進、経済の活性化・行政の効率化が三位一体で進むことが期待されています。」とよく言われる。
 米国オバマ政権の「オープンガバメント」戦略などそうした取り組みの具体例を挙げながら、「公共データのオープン化とは何か?」「「公共データのオープン化にはどのような有用性があるのか?」をわかりやすく説明しなさい。
 
参考資料
  1. NTTデータ経営研究所・上瀬剛(2010)「情報のオープン化から見えてくるもの」
  2. 三菱総合研究所・村上文洋「公共データのオープン化は社会や企業にどのような影響をもたらすか- 動き出した日本のオープンデータ戦略」
  3. 経済産業省「オープンガバメントの推進」経済産業省ホーム > 情報政策ホーム > 情報政策の概要 > 電子政府の実現 >
  4. 総務省「オープンデータ戦略の推進」総務省トップ > 政策 > 情報通信(ICT政策) > ICT利活用の促進 >
  5. USA White House. “Open government Initiative”
  6. 英語版wikipedia “Open government”

「だれでもコピー自由 — フリーソフトウエア米から上陸(ビジネスTODAY)」『日経産業新聞』1989年09月14日
「強い米経済「伝道」が支える――コピー”ライト”より”レフト”に利益(地球回覧)」『日本経済新聞』1997年06月03日朝刊
「フリーソフト「教祖」に聞く――「ソフト特許は開発阻害」、利用者の声で改良自在に」『日経産業新聞』2003年05月19日

カテゴリー: 2016情報公共論, イノベーション論, オープンデータ, 学習用課題, 情報公共論, 授業課題, 電子政府, 電子自治体 | コメントする

情報の非対称性問題としてのsource codeの公開・非公開問題

OSS(Open Source Software)は、プログラムのソースコード(source code)を公開している。

しかしマイクロソフトなどの営利企業の製品は、proprietary softwareとしてプログラムのソースコード(source code)を公開していない。

問1 なぜマイクロソフトは営利企業としてソースコードの公開をしていないのか?その理由をわかりやすく説明しなさい。

営利企業における不正問題の頻発は、営利企業およびその組織に属する人々のモラルやコンプライアンス意識が低下していることを示している。フォルクスワーゲンによる不正プログラムは、プログラムのソースコードが公開されていないことによって生じた問題である。

問2 キーロガー問題やバックドア問題に対処する方策の一つは、プログラムのソースコードを公開にすることである。それはどういうことなのかをわかりやすく説明しなさい。

参考WEB記事
@IT情報マネジメント編集部(2003)「プロプライエタリ(proprietary)」『情報システム用語事典』
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0310/27/news002.html

国沢光宏(2015)「視点・論点 「フォルクスワーゲン不正問題と自動車の未来」」NHKオンライン>NHK解説委員室、2015年10月27日
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/230652.html

中島みなみ(2015)「VWの不正プログラム組み込み、国内でも確認求める…国交省」Response>自動車>社会>行政>記事、2015年9月25日
http://response.jp/article/2015/09/25/260673.html

カテゴリー: 2016年度, 2016情報公共論, 情報公共論, 授業メモ, 授業課題 | コメントする